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参考 「織り機の付属用具」

1.織る前には、準備作業として次のような作業を行います。
・整経(せいけい)
  数百本におよぶ経糸を、整経台に順番どおり巻いてゆき、20本毎 等に糸で纏めてばらつかない様に揃えていく作業です。整経台1m型は1反分の整経が可能で、織物に必要な経糸の本数と長さを整える道具です。また、整経台1m型は1反分の整経が可能で、整経台1.5m型は2反分の整経が可能です。
・仮筬(かりおさ)
整経台から外した経糸の束を筬に一本ずつ通して筬の幅に揃え、経糸を通した筬を織機の筬枠にはめる作業です。
・ビーミング
経糸を経糸ビームへ、平行に均等な力で緩まない様に巻く作業です。
・綜絖通し(そうこうとおし)
綜絖をシャフトに並べて織機にはめこみ、組織図(設計図)の通りに経糸が緯糸と織り込まれるよう、経糸を一本一本綜絖の目に通す作業です。
・筬通し(おさとおし)
仮筬のときと同様、経糸を筬に通す作業です。
・タイアップ
高機は、綜絖と踏木が連結していますので、踏木を踏むと「ろくろ式高機の綜絖」は下がります。天秤式高機やレバー式織機の綜絖は上がります。どの様な織機でも、「綜絖が上下して経糸を開口させて緯糸を入れて打ち込む」という連続で織布が織られていきます。 そして、平織の経糸は1本交互に開口し、綾織は2本交互に開口します。この動作は、綜絖と踏木を連結させているために乗じる動作になります。この綜絖と踏木の連結動作を「タイアップ」と呼びます。そして、連結の仕方を図にしたものを「タイアップ図」と呼びます。
・経糸結び(たていとむすび)
経糸の束を張りを確かめながらクロスビームに結びます。クロスビームとは、布巻の事で、織物に折り目や皺 等が出来る事を防いだり、経糸・緯糸の歪みを補正するために木製の棒や鉄板に仕上がった織物を巻きつける事です。千巻(ちまき)とも呼ぶ。
・緯糸巻き(よこいとまき)
緯糸の一方を小管(こくだ、ボビン)に紡錘型に巻き、巻いたボビンを杼(シャトル)の中にセットする。
これらが終わった後に織り始めを行い、織り終われば両端を切断し、端の経糸を数本ずつ巻いてフリンジにするなどの始末を行う。