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経糸の準備=整経
織る作業の前に、経糸を織機にセットします。布を織り始める前に、多数ある経糸をすべての綜絖の眼(経糸を通すための小さな穴)に通す作業をします。 出来上がる布の長さと幅は、準備した経糸の長さと本数によって決ります。また、ストライプやチェックの柄を織り出す場合は、色の違う経糸を柄に合わせて並べておき ます。一旦織り始めると、途中で経糸を変更することは出来ないので注意が必要です。

準備作業について
*整  経
布を織る時必要な経糸の長さと本数を作る作業です。織り上がりを想定し、糸を順序よく整経台にかけていきます。
・指2本を使い、糸を交互にとりあやを作ります。
・あやを手前の棒にかけます。
・左右の棒にたるみのないようにかけていき、かけ終わったら整経台から外して終了です。
注:「あや」とは、糸がクロスになっている部分です。
1)「大管立て」と「整経台」
・大管立ては、経糸の並び方に合わせ糸巻きをした大管を立てる道具で、上段下段合わせて大管を32本立てることが出来ます。
・整経台は、経糸を引き揃えるための枠で、大管立ての前に配置します。整経台には、固定されている鉄棒と経糸の長さを調節する調整棒が配置されています。調整棒は、 蝶ネジとワッシャーで付け替え可能です。一般的に整経台の横の長さは、約1.5m・奥行きは約50cmです。
整経の方法は複数あり、整経台の使い方も異なります。ひとつは「輪整経(わせいけい)」で、経糸本数が偶数になり、整経した経糸を切らずに輪の状態で次の作業に進み ます。また経糸のずれが少なく、均一に張りやすく、経絣の整経に適しています。一般的な整経は、整経終了後に整経台から外し経糸の両端を切る必要があり、千巻工程で 経糸の張りを整えながら結び付ける作業が付加されます。しかしながら1本・3本などの奇数の経縞の並び方を整えることが容易になります。これらの2つの整経の選択は、 「経糸の配列がどちらの整経に向いているか」・「織機の種類」によって決まります。