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糸車について


大管や小管に糸を巻き取る道具で、糸の撚り掛けや糸紡ぎもできます。
標準の紡錘 (つむ)棒で大管・小管両方の糸巻きが可能です。 手で車を回転させ、その回転を利用し、綿花や繭から糸を紡いだり撚りかけをします。構造は、一方の柱に竹製もしくは木製の大きな車を取り付け、他方には紡錘(つむ)を配置し、早糸(糸 車と紡錘とに掛け渡す)で両者をつないで回転を連結します。緯糸を管に巻く管巻車(くだまきぐるま)・紡車・糸撚車・早糸(はやいと)車も糸車と呼びます。
注:紡錘棒
1) 糸巻きなどの心棒。
2) 糸をつむぐ機械の付属品。
鉄製の太い針状の棒で、回転して糸を巻き取ると同時に縒りをかける働きをする。
注:管巻車
繭や綿から糸をとったり、撚(よ)り合わせたりする糸繰り車の部品。糸を巻く小さな軸をさし糸を紡ぐ。
注:紡車
糸を紡ぐ道具ですが、紡錘車より進歩した道具で、インドで発明され,西アジアを経て中世にはヨーロッパにも普及したそうです。中国では、紀元前100年頃に使用されていたようです。大き な滑車を手で回し紡錘を高速で回転し、紡錘の繊維束を他方の手で軸方向に引っ張りながら撚りをかけます。

 紡錘棒 糸車1  糸車2 糸車3

短繊維は、綿状のものから繊維を少しずつ引き出し、糸車等で撚りを掛けて糸を作ります。木綿のような短繊維や真綿・屑繭から作る絹糸に用います。動作としては、車を手で回転させながら 引っ張って撚りかけをし、誘導する手の位置を紡錘の軸と直角にして巻きります。
準長繊維(靭皮じんぴ繊維)は、すでに績(う)んでいますから、糸車では撚りかけをし紡錘に巻き取るのみです。この車の大きさには大小2種あり、古くは大きいものは麻・小さいものは木綿と 使い分けていましたが最近では混用して使われているようです。地域的特徴は、関東地方のものは木製のものが多く、近畿地方のものは後ろ足がついて糸車全体が前方に傾斜している。中国地 方以西のものは車が大きく、紡錘との距離が短い。
注:績(う)む 麻・苧 (からむし) などの繊維を細く長くより合わせる事を言います。麻や苧(からむし)の茎を水にひたし、蒸してあら皮を取り、その細く裂いた繊維を長くより合わせ糸を作る事。