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ー 参 考 ー
糸車以前は、紡績はまず繊維を手で撚る完全な手作業でした。最古の糸車の記録は、バグダッドにイラストが残っているようです。ある説によると13世紀にペルシアからインドへ伝わったようです。そして、インドで発明された糸車(手紡ぎ機)は、大きな車輪を使って軽い力でより多くの糸を紡ぐ事が出来ました。そして、手ではなくトレッドル(踏み板、ペダル)で回転させる方法が発明され、以後水力・蒸気機関・モーターを利用した紡績機へと発展していきました。例えば「ウォーキング・ホイール」は、羊毛から長い糸を高速で紡ぐ事が出来ました。「フラックス・ホイール」は、ダブルドライブ式の車輪と糸巻き棒 で亜麻の繊維からリンネルの糸に向いていました。「サクソニー・ホイール・アップライト・ホイール」は、ペダル(トレッドル)ではずみ車を回す多目的糸車で、羊毛から梳毛糸を紡ぎました。インドの糸紡ぎ車・チャルカは、小さくて持ち運べる手回し式の糸車で、木綿やその他短繊維の上質な糸を紡ぐものでした。日本の糸車も手回し式で、大きな竹製の車を手で回転させ、紡錘に木綿や絹の糸を巻き取る仕組みのものでした。

*その他の主要な織り物用具
かせかけ(大型、小型)
糸を大管や小管に巻き分ける時に巻きやすく糸を送り出す道具です。羽根の大きさは、大と小があります。
整経台
織物に必要な経糸の本数と長さを整える道具です。整経台1m型は1反分の整経が出来き、整経台1.5m型は2反分の整経が可能です。整経は折り返しが少ない方が長さの誤差が少なくなります。
管立て
32本立てや20本立てがあり、経糸が巻き分けられた大管を糸が出しやすいように並べ立てておく道具です。

開口した経糸の間に緯糸を通すための道具です。杼の厚さは糸の太さに合わせ、絹用は薄くウール用は厚くなります。

織物の幅や経糸の密度を整えたり、緯糸を打ち込んだりする道具です。
綜絖(そうこう)と綜絖通し
綜絖の中にある輪の中に糸を通していく事を「綜絖通し」と呼びます。綜絖は、横糸を通すために、縦糸を上下に分ける器具を表します。経糸を数群に分けて上げ下げをするフレームで,経糸を通す目穴がついています。織り機は、経糸を並べ、直角に緯糸を交差させながら織っていきます。織り機に欠かせない部品です。そして、主に絹糸・カタン糸・毛糸や針金で作られています。また綜絖は、経糸を通す綜絖目と,その上下に糸が繋がっています。昔は、糸で繋がった糸製綜絖が用いられましたが最近では耐久力が重視され針金綜絖が用いられるようになっています。
筬通し
織り機の手前に固定された筬に、綜絖通し(そうこうとおし)された糸を通す工程です。綜絖通しは1本ずつですが、筬通しは布の種類によって通す本数が異なる場合があります。ヘラ状の道具を使い、あやの順番通りに通していきます。