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参考3 真綿かけについて アルカリで煮た繭(まゆ)を、ぬるま湯の中で袋状に広げる作業です。蚕(かいこ)は繭を作る時に、8の字になるように糸を吐き出します。 繭精錬が成功すれば、中の蛹が見えてきます。その見えている部分から指で広げます。 手の中に繭5枚程度を広げて重ねたものを1組とし、角や袋状に大きく拡げます。 参考4 [綛(かせ)] 繭を繰糸(そうし)して小枠に巻き取ります。次の工程で、小枠から周長1.5mの大枠に巻き取ります。この工程を揚返(あげかえし) (または再繰)と呼びます。揚返糸束が崩れないように力糸掛け(あみそ)を行った後に大枠から外します。この状態の糸束を綛と呼びます。 [括(かつ)] 綛に捩(よじり)の処理を行った後、綛を集めて束ねます。この束装(そくそう)した形を「括(かつ)」と呼びます。1括が5Kgです。 括には、それぞれ 「ラベル(チョップ)」と呼ばれる商標を付けます。チョップにはそれぞれの製糸会社が分かるように、 富士山、日本髪美人、各種の動植物・・・など多種多彩な工夫された芸術性の高いデザイン画が 印刷されており、輸出された生糸に付けられたチョップは、当時の海外の愛好家に人気がありました。 括は、最終的な生糸の商品形態です。この括が集まって60kgに梱包された状態を「生糸1俵(ぴょう)」と呼びます。生糸は俵単位で取り引きされますが、最近では1ケース30kgが梱包の単位になりました。 2、玉糸(たまいと) 玉繭(同巧繭(どうこうけん))を使用して作った生糸を玉糸と呼びます。玉繭は、2頭の蚕が一つの繭を作っています。よって、繭糸は繰糸を行うと2本の糸で出る所も有れば、ずるっと節になっ て太く出る所も有ります。この節になる所を玉節と呼び、玉糸の特徴となります。繭の性質上、自動化が難しく昔ながらの横引き座繰り機や少し自動化された多条機でわずかに作られているだけです。 |