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絹糸で手織りする時の道具 |
人が糸に手を加え織物や編み物にする時、糸作業から見ると「糸を整え、切れれば結び、整えて糸を巻く」作業と連続と言えます。 この様な作業の折に手の代わりとして工夫されてきたのが道具です。道具には、良い道具と悪い道具が有りますが、この良否の分か
れ目は「綾」が出来るかどうかです。 生糸が21中原糸で9000Mの長さが有る糸は、けた違いに細くて長い糸ですが、この様な 絹糸を途中で切れない様に、切れたら糸口を見つけだし結び、巻き取る事は大変な作業です。その様な時に、自分自身の経験と綾を 作ってくれる良い道具を選択する事が、楽しい織物に繋がります。 「 くだ紡(手繰り棒)」と「たたり」 染色した綛糸を小枠(木枠)に巻く時に使用する昔ながらの道具です。 昔ながらの綾の無い棒綛や糸が乱れて困った糸、インド・中国 等の素朴な糸 に威力を発揮します。 しかし、「くだ棒をうまく回 す・たたりの操作のポイントを押さえる」という事が出来なければ使いこなす事は出来ません。毛糸の綛糸を玉に巻く時に、子供が 綛糸を腕にかけお母さんが玉に巻く方法と同じで、腕の代わりに2本の棒を地面にさし綛糸をかけ、上に引き上げて、くだ棒で巻き 取る という道具です。くだ防備小枠に綾が出来ない点のみが気になりますが、くだ棒だけでも使いこなせる簡単で便利な道具と言えます。 五光(ごこう)と五光台・・・綛糸を巻くときに糸をかける台 「御光」「ふわり」とも呼び、綛糸を巻く時に糸を掛ける道具です。 絹糸の綾綛(あやかせ)を巻く時には大変便利で、鉄製や竹製など構造も色々ですが、最近では良いものが無くなりました。 特に細い絹糸を巻く時には重要な道具で、いかにスムーズに糸を巻き取る為に糸を送り出し回転が滑らかであり、回転中に綛糸が五光の上 で動かず(回転時に動く場合には重石を置く事も有ります。)、最後まで綛糸の姿が残って行く事が重要です。 中心の胴の部分は太く矢の 様な弾力を持った竹製で、五光が廻りすぎない様に胴の部分に重りをかけ、糸の太さとスピードによって重さを調整します。綛糸の枠周に は色々な大きさが有り、大が小を・小が大を兼ねる事は出来ませんので、矢の長さを調整するか枠周にあった御光を使用する事が大事です。 |