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B 副蚕糸

正繭や玉繭の中には、下記の条件で「生糸」にならない「副蚕糸」と呼ばれる糸が有ります。これらは、紡績絹糸や真綿紬糸の原料として使用されます。

・繰糸に出来ない害虫に食われた「穴あき繭」
・蛾が出た後の「出殻繭」
・汚れ繭 等の不良繭
・製糸工程での「生皮苧(キビソ)」「比須(ビス)」「屑糸」
糸口が出てくるまでの繭は、生糸として製糸は行われず、くず糸として取り除きます。

それらをまとめて乾燥させた物が、「生皮苧(キビソ)」または生皮苧糸となり、生糸とは別の用途に使われます。現在、それらはパウダー状にして食品に入れたり、シルクプロテインとして化粧水に入れたりして利用されています。
糸を取り続けて繭層が極めて薄くなった内側のほうも、最後までは生糸としては使えず、くず糸となります。その繭層の内側のくず糸は、「比須(びす)」と呼ばれます。