戻る 次へ



参 考(注:「引っ張り強さ」はデニールあたりのグラム数)

比 重 公定水分率 引っ張り強さ
1.54 8.5 3.0〜4.9
ラミー 1.5 12 6.5
1.33〜1.45 11 3.0〜4.0
ウール 1.32 15 1.0〜1.7
ポリエステル 1.38 0.4 4.3〜6.0
レーヨン 1.5 11 2.5〜3.1

「参考資料」

A)旧世界棉(n=13) アジア地域原産
「シロバナワタ(草棉 アジアワタ)G.herbaceum (levant cotton)」
染色体数2n=26(ゲノム構成 A:A:)。高さ0.3〜1.5m。葉は3〜5裂片に分かれ、幅広い。副萼は長さ3cmで幅広い三角状を呈し、鋭い6〜8歯片を持つ。種小名、「草本の」の意。
花冠は黄色で、中心部は紫色。果実は卵形で、嘴状に尖り、長さ3cm、表面に油腺を持ち、各室に種子10個を含む。棉毛はふつう0.9〜2.3cmで短いが、強度は大きい。布団の中入れ棉に適し、紡績用としては30番以下の太糸になる。アラビア半島から中近東一帯を中心に栽培される。

「キダチワタ(木立棉、インドワタ)」G.arboreum Linn.(tree cotton)
染色体数2n=26(ゲノム構成 A2:A2:)。基部が木質化する多年草で、高さ3m(インドでは4〜6m)。葉は5〜7深烈し、先端は尖る。花は黄色から紫紅色で、中心部は暗色。果実は長楕円形で、長さ3cm。各室に6〜17粒の種子。棉毛長及び用途はシロバナワタと同じ。
改良された品種群は一年生の生活形になっており、インドを中心に栽培されている。また南京種(G.nanking Chinese cotton)は、中国中・北部で分化した一年草で、長日条件で早く開花結実する。日本の在来棉(var.indicum)もこの系列に属している。

B)新世界棉(n=26) アメリカ大陸原産

「リクチメン(陸地棉、ケブカワタ)G.hirsutum Linn.(upland cotton)」
染色体数2n=52(ゲノム構成 A1A1D1D1)。アジアワタと野生のアメリカワタ(G.raimomndii,American cotton)との雑種複二倍体として、中米で起源した。米国を中心として世界各地で広く栽培され、棉の全作付面積の約70%を占めている。
普通一年草で、草丈90〜150m。葉は3裂し、時に5裂する。副萼は卵型で長さ3.5〜6.5cm、7〜13の細い歯がある。花冠は黄白色で、のちにピンクを帯びた紫色になる。果実は3〜5cm、卵型で先端は嘴状に尖り、帳面は平滑。各室に5〜11粒の種子を含む。綿毛はクリーム色を帯び、比較的繊細で、長さ1.3〜3.3くらい。中〜中細番手の紡績原料とされる。