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苧麻の話_1

「苧麻の詳細」
苧麻は大麻と共に日本で最も古くから使用されてきた繊維です。木綿が普及するまでは、絹と麻が繊維に中心的な素材でした。 苧麻は、イラクサ科の植物でラミー(Ramie)、日本語では「からむし」と呼ばれてきました。しかし、日本においては大規模な 栽培は皆無となり、1部小規模な栽培を残すのみとなりました、苧麻は、沖縄から東北まで栽培は可能ですが、沖縄と九州以外は 年1回の収穫となります。

*苧麻の刈り取り後での「手工芸」での加工工程

1)刈り取り
手で葉を落とし、尺丈といわれる寸法をはかる定規で切り揃え束ねます。 からむしの寸法は、「親苧1.27m(4尺2寸)」、 「かげ苧1.15m(3尺8寸)」として選り分けます。「かげ苧」は枝のないよく伸びた質の良い部分です。「親苧」は枝のある太いものです。 刈り取り選別したからむしは、皮をはぎやすくするため、数時間冷たい水に浸します。

2)剥皮(4〜6%の歩留まり)
1本ずつ丁寧に皮部が2枚になる様剥ぎます。剥いだ皮は、1握り位に束ね、もう1度水に浸します。水に浸す事で、皮を乾燥させず、 からむしから出る青水を流す事が出来ます。

3)乾燥・選別
苧引き具を使い、はいだ皮からさらに素皮をとって、引きながら良品、不良品を選別します。引き終わったら10グラム程度に束ねて2日 くらい日陰干しにします。

4)苧績み(おうみ)
からむし引きによって取り出された繊維(青苧)を細かく裂き、糸を紡いでいきます。1本1本指で裂くので根気のいる作業となります。 (帯1本分の苧績みは2ヶ月程かかると言われています)

5)撚り掛け
おぼけ(苧桶)と呼ばれる丸ワッパにためられた糸を静かに取り出して湿らせ、糸車で高速回転する事で撚りかける事で丈夫な糸になります。

6)整経

7)織布
上記3)の工程の後は、工業的に、酸処理・煮練・打繊・漂白・給油・乾燥・軟繊・カット・開綿・カード・練条・コーマ となりラミート ップが出来上がります。そして、ラミートップを粗紡・精紡を行い紡績糸が出来上がります。 工業的には3)乾燥選別の工程後には、酸処理・煮練・打繊・漂白・給油・案宗・軟織・カット・開綿・カード・練条・コーマ と工程を経 てラミートップが出来上がります。その後は粗紡・練紡で紡績糸が完成します。

*苧麻の特徴

@植物繊維としては、短繊維長が最も長く70−300mmあり、強力は大きいが伸度は小さくなります。
A中空の繊維構造を持ち、水分の吸収・放出が早く、その為に涼しく感じます。
B光沢に富んでいます。
Cリグニング(木質)が多少残っている為に、ハリ・硬さを出します。
D現在一般的に生産されている苧麻の番手は、麻番手で120・100・80・60・50・40・30・25・20・16・8 等です。