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苧麻の話_2

*注 宮古上布における糸の作り方
(伝統的工芸品づくりの材料・道具ネットワーク・データベース より抜粋)

宮古上布に使用する糸は、経糸(たていと)・緯糸(よこいと)ともに手で作ります。
「糸の積みかた」
まず生苧を、繊維の根の方から指や爪を使って細く裂きます。
この場合、経糸用は髪の毛ほどに極細く裂き、緯糸用は、それより太めに裂き容器(方言「マグ」)にためていきます。マグに適量たまると結び目を作らずに指で撚り繋いでいきます。その際に繊維に水分を与えます。宮古のおばあさん達は口に含んで唾で水分を与えています。この繋がれた糸を方言で「ンミュー」と呼びます。「ンミュー」は人によっては球状に巻く場合があります。この球状に巻かれた糸は「ピスゥ」と呼ばれます。好みによってブーを裂きながらすぐンミューにしていく人もいるようです。経糸(諸手)は2本どり、緯糸(単糸)は1本どりで、手で撚っていきます。それぞれ専門化されていて、経糸も緯糸も作るということはありません。経糸の方が値段は1割から2割ほど高くなっています。経糸は平良市、下地町、上野村、伊良部町など、緯糸は城辺町が主産地です。

「.撚りのかけかた」
紡いだ糸が10ヨミ(1ヨミ=約600メートル)くらいになると撚りかけをします。撚りをかけると糸のけばだちがなくなり丈夫になります。撚りが甘いと糸が弱く織りにくくなります。また、強いと打ち込みにくくなり絣あわせが難しくなります。撚りかけは糸車(ヤマ)を使います。経糸は2本撚り、緯糸は1本撚りです。撚りかけをしながら、糸車のツミ(針状のもの)にさしてある小管に糸を巻いていきます。撚りの回数は経糸8回、緯糸7回が標準です。

「かせのつくりかた」(整経)
その後、糸を販売用の長さに整えるために、手経木(ティーカシギー)という機具を使ってかしかけ(綛かけ)をおこないます。手経木の一巻きが約1.65メートルの長さで、4回半(ヨソウハン)かけて1本(5ヒロ=約7.5メートル)とします。80本合わせて一算(ヒトヨミ)とかぞえます。往復があるので始まりのところを数える場合40本分になります。10算から12算をまとめて売られていますが、一反分の50算を一人で作るには3カ月以上の月日がかかります。

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