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麻の話_2


A 亜麻の繊維は、短繊維の長さ20〜30mm太さ15〜37μの集合繊維です。集合繊維とは、短繊維が集まって一本の繊維の様に見えるものを言い、短繊維の一本一本がペクチンで糊付けされて隣接の繊維と固着した状態にあります。短繊維の断面は、多角形で中空があります。 集合繊維になる為に必要な糊質は、ペクチンでまた少量のリスニングが含まれると言われる説も有ります。従って、洗濯を行う事で徐々に外側のペクチンが脱落し・柔軟性が増して色は白くなります。

「苧麻 RMIE」
日本では歴史的に大麻と共に麻の代表として扱われています。(亜麻の栽培は、日本においては明治以降に始まりました。)現在、中国・フィイリピン・マレーシア・ブラジル等が生産国です。
@ 苧麻は、イラクサ科で宿根性の多年生の植物です。東南アジア原産で亜熱帯から湿地帯に広く分布しています。草丈は1.5〜2.5mとなり、繊維はその茎の靭皮部に有ります。一般的に、刈り取り後に剥皮し、陰干しを行いう事で青苧(グリーミラー)となります。
A 苧麻の繊維は、短繊維の長さ70〜300mm太さ18〜30μ(約5d)です。
現在、ラミーの紡績工場では青苧を化学精錬し、短繊維を取り出し紡績原料とします。手工芸的な生産方法では、青苧を集合繊維として取り扱い、青苧を細く砕き、苧績みによって糸とします。
従って、化学精錬は殆ど繊維素ですが、手工芸的な方法の場合には、多くのペクチン等が残量した状態で使用する事になります。
B 苧麻の特徴
A:植物繊維としての短繊維長が最も長く、強力が大きい、しかし伸度は小さい。
B:中空の繊維構造を持つ為、洲分の吸収・放出が早い。
C:光沢に優れる。
D:リスニングが多少残存する。
E:麻の中で特にハリ・コシが強くシャリ感がある。

「亜麻紡績糸」
亜麻の原料は下記の様に分類され、糸に加工されます。
A:正線 ―> 長線(一亜) −> 長繊紡績(潤紡)
      ―> 短線(二亜)
      ↓
B:租繊 ――――――――――――>短繊紡績(ギル紡)

特に太いものを除けば、殆どが潤紡での生産となります。

亜麻の番手表示は麻番手を使用します。その定義は「1ポンド(453g)で300ヤード(274m)の長さの糸を1番手」となります。主な生産番手は「4・8・10・14・16・20・25・30・40・50・60・80・100」ですが、昔の生産方法の影響が残る「晒の糸」においては 「33・44・66」等の端番手が存在します。 端番手は、生成り糸を晒して晒し糸としていた為に40−44の様に細くなる為ですが、近年では原料段階で「晒し加工」が可能になり、生成り番手と同じ番手が多くなって来ています。潤紡(湿式紡)で生産された糸は、表面をペクチン質で糊付けされた状態で綺麗ですが、「精錬・晒し・染織 等」の工程でペクチンが破損され表面が荒れる事で「ワタボコリ」も多くなり糸が痩せて行きます。また、亜麻の糸はナチュラルスクラブであり、自然な太さの変化が有ります。これも亜麻の特徴と言えます。