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藍染の種類 藍染もいくつかの種類に分けられます。 1)生葉染め 藍の葉に含まれている「前駆体」の色素を布などの繊維に染み込ませる方法で、収穫して間もない時でなければ綺麗に染まりません。方法としては、藍の葉を細かく刻みインディゴの前駆体であるインジカンを摘出する事で葉に含まれる酵素が加水分解し、インドキシルを生成し素材に染み込ませます。また、絹・羊毛・ナイロンは比較的綺麗に染色出来ますが、木綿や麻は染まり傾向があります。 2)乾燥葉染め 藍の葉を乾燥させ、アルカリやハイドロを加え染色します。方法としては、晴天に藍の葉を刈り取り、天日干し、藍葉・水・苛性ソーダ・消石灰・ハイドロを容器 等に入れ、2週間程一日一回かき混ぜる事で還元膜が張り、 藍が立ち始めると染液として使用できます。 3)蒅(すくも)染め 蓼藍の葉を100日程発酵させ、染液の原料となる蒅を作ります。その蒅を、灰汁・フスマ・石灰・酒 等と一緒に発酵させた染液の中で何回も染め重ねる方法です。蒅染めは、日本独特四季が有る環境から生み出されました。 4)藍とその他の植物染料 植物で緑を染色する方法は、藍染に黄色の染料を重ねて染色します。昔ながらの方法としては、藍染を行い、黄色の染料である黄蘗や刈安 等を重ね染めして緑色に染色します。 例;憲法染 赤みがかった黄みの暗い灰色です。江戸時代初期の兵法師範 吉岡憲法が明時代の手法を伝えたと言われる「黒茶染」で、江戸時代に日常の衣服の黒として広く愛用されました。この憲法染を地色にした小紋染を「憲法小紋」 といいます。また、憲法黒は藍染で縹色(はなだいろ)に染めた後に楊梅(やまもも)で濃い緑色を重ねて黒に近い色に仕上げました。 5)藍染の藍の反応 藍染は、鮮やかな青色が特徴です。青色の成分となるインディゴは、緑色の葉の状態ではインジカンとして存在しています。つまり、インジカンを加水分解した場合にインドキシルとグルコースという成分が出来き、このイン ドキシルが酸化し青色の成分であるインディゴが生成されます。出来上がったばかりの |