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ィカン」という物質が含まれている事によって植物の細胞が破壊され、葉に含まれ る酵素の働きにより酸化しやすい物質となります。そして、空気と触れる事で酸化し、
藍色を発色するインディゴ色素になります。また、インディゴ色素が水に溶けない事から酸化還元反応を利用し、アルカリ性の水溶液に可溶な状態に する事を「藍建て」と呼びます。そして、「藍建て」を行ったアルカリ性
水溶液を繊維に吸着させ、繊維内で再び酸化させる事でインディゴ色素が藍色を発色します。また、微生物の働きで藍を建てることを「発酵建て」と呼び、薬品を 用いた藍建てを「化学建て」と呼びます。 藍の種類 インディゴ色素を含む植物を藍と呼び、ダデ科からマメ科まで種類は様々あります。 1)蓼藍(だてあい) タデ科の一年草で、古くから利用され本州の東北南部・西の太平洋側と四国・九州の低山帯と平野部に分布し、小上粉・百貫・千本 等の品種があります。この葉を乾燥させ、100日間かけて発酵させたものを「蒅(すくも)」 と呼びます。この蒅を使用して染めた「藍染」は、「本藍・正藍」と呼びます。 2)木藍(きあい) マメ科の多年生植物で、タイワンコマツナギやナンバンコマツナギ 等の品種があります。 タイワンコマツナギは、「インド藍」という名で天然藍としては最も多く流通し、主に東南アジアで収穫され、現在でもインドや石垣島 ・台湾 等で栽培されています。現在は、インド藍をブロック状や粉末状で輸入される事が多く、手早く乾燥し煮沸する事でバクテリアを死滅している製品が多く、染色には還元剤を使用し藍建てします。 3)琉球藍(りゅうきゅうあい) キツネノマゴ科イセハナビ属の常緑低木の多年草で、原産地は中国・インドシナ半島・日本・台湾で、現在も沖縄県本島に自生しています。蓼藍に非常に良く似ていますが、琉球藍の方が葉も大きく肉厚で立体感があり、蓼藍よりも の含有量が多く濃色に染めやすくなります。現在でも沖縄本島で沈殿藍(泥藍)を作り、発酵建てし染色しています。 3)大青(たいせい) アブラナ科タイセイ属の多年草で、原産地はヨーロッパ・西アジア・北海道 等で、ホソバタイセイやエゾタイセイ(ハマタイセイ) 等の品種があります。藍の含有量は僅かですが中世ヨーロッパでは大青 |