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注:芭蕉 まゆはきを俤にして紅粉の花 行末は誰が肌ふれむ紅の花 み行 *ミロバラン 訶梨勒(かりろく)の果実をミノバランと言います。中国、インドシナ半島、マレー半島に産し、高さは30mメートル、葉は約10㎝の長楕円形、花は白色、果実は褐色の卵円形で、果汁からはミロバランという黄色染料が採取 出来ます。日本へは八世紀頃に鑑真が伝えたと言われています。正倉院の「種々薬帳(しゅじゅやくちょう)』にある「呵梨勒(カリロク)」はミロバランと言われています。ミノバランは訶子(かし)と呼び、タンニンを20~4 0%含んでいる事から黒色染料・皮なめし・薬に用います。また、アルミ媒染で黄色、鉄媒染でカーキー色に染色でき、無媒染で更に藍で重ね初めを行う事で青磁に似た薄い緑色になります。 む行 *ムラサキ(紫) 日本原種の多年草植物で、古くから根(紫根)の表皮を紫色の染料に使用していました。(推古天皇の時代に小野妹子が中国から帰国した時の文献に記述があります。)和名ムラサキの語源は、本種が群れて咲くことから「群ら咲き」 であるとする説が一般的です。そして、紫草の根である紫根から採取した染料は、紅花(こうか)・藍と共に日本三大色素の一つです。 1)紫色について 603年に制定された「冠位十二階」が、紫色の最初の出自です。この冠位十二階の原文(日本書紀に記 |