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なり ました。 そして、日本では白装束が喪服であり、凶色としては鈍色という色ですが、黒が喪服として葬儀に使われるのは、比較的新しい時代の事です。 江戸末期から明治にかけて男子の黒紋服と黒袴にならうように、女子も大正から昭和にかけて黒喪服になります。
*注 橡は団栗の古名です。
*注 黄橡(きつるばみ)
同じく橡染で衣服令以来知られるようになった色で、五位以上の尼僧に許された黄みを帯びた暗褐色。橡染めでないのに橡の字が使われている特殊な色です。染色法も黄色の染料の刈草(かりやす)と 紫染の紫草を混 合して灰色にくすんだ黄緑色になります。「延喜式」十四巻「縫殿寮」に法服の記述があり、読師と呼ばれた僧侶の袍の色がこの青白橡(あおしろつるばみ)の綾でした。



こ行

*コチニール
中南米、メキシコ、ペルーなどに産するノパルサボテン(ウチワサボテン)に寄生するエンジムシ(カイガラムシの一種)の雌を熱処理して作る赤色の染料です。主成分は、1518年にメキシコで発見 されたカーマイン酸 (カルミン酸)で、酸化アルミニウム・鉄・クロム 等で媒染すると鮮紅色から紫がかった色になります。そして、ポルトガル人やオランダ人によって桃山時代に渡来し、陣羽織 等 に作られた猩々緋(しょうじょうひ)の羅紗 (らしゃ)に使用されました。尚、石灰水と塩化第一錫とによって紫色・塩化第二錫で鮮明な緋色・明礬と蓚酸(しゅうさん)とで赤色が染まります。

*紅露(こうろ)
沖縄地方に自生するイモ科の蔓草です。土藷または藷榔とも呼び、染物芋(そめものいも)・柿色処(かきいろどころ)とも呼びます。成長に従い葡萄根の中腹が膨張隆起して根塊となり、その根塊に 赤 茶色の色素が含まれ、 この色素を抽出し染料とします。そして、石灰で媒染すると赤茶色・鉄で媒染すると黒味の赤茶色になります。古くは、八重山布(赤縞上布)の赤褐色を染める染料として使用され、 大島