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く行 *クサギ(臭木) クマツヅラ科の落葉低木(灌木)で、山野に多く自生しています。樹高が約3m程度になり、全体に臭気があり、葉は大きく広卵形で、八月ごろ、枝頂に白花を多数つけます。果実は球形で濃 青色に熟しますが、この臭 木は、染料植物の一つでもあり、この果実を染材として利用します。そして、実は媒染剤なしで絹糸を鮮やかな空色に染色可能で、赤い萼(がく)は鉄媒染で渋い灰 色に染色できます。 *栗 縄文時代から栽培され、葉・樹皮・果皮・イガ 等にタンニンを多く含み染料に使用されて来ました。 例えば、 樹幹・果皮の染液を使用し、アルミナ媒染を行う事で赤味の薄茶に染色 樹皮・葉・毬の染液を使用し、黄茶色に染色 樹皮・葉・毬の染液を使用し、鉄媒染を行う事で鼠色または黒鼠色に染色 樹皮・葉・毬の染液を使用し、灰汁と石灰で媒染を行う事で茶色に染色出来ます。また、栗の樹皮を使用して染色する事を「栗皮染め」・果皮を使用して染色する事を「栗染め」と言います。そして、鉄媒染で鼠色・黒鼠色、 灰汁と石灰の媒染で茶色に染色できます。 植物繊維の染色は豆汁 等で下染めを行い、先媒染法によるアルミ媒染の後に染色を何度も繰り返します。 白橡色(しろつるばみいろ) イガ・果皮 / アルミ媒染 鳥の子色(とりのこいろ) イガ・果皮 / アルミ媒染 芥子色(からしいろ) イガ・果皮 / アルミ媒染 黒橡色(くろつるばみいろ) イガ・果皮 / 鉄媒染 注:アルミナ媒染 アルミナは、酸化アルミニウムの事です。媒染剤は、明礬・硫酸アルミニウム・酢酸アルミニウム・塩化アルミニウム 等があります。そして、明礬は、奈良時代から植物染料の媒染に使用されてきました。 |