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しかし、1つの貝から少量しか採取出来ない事ため高価で、 帝王や法王のみが貝紫で染めた衣服を着用していました。(帝王紫と呼ばれました。)
また、メキシコ・ペルー 等でも貝紫で染色する技術が生み出され、メキシコでは現在も引継がれているそうです。
(メキシ コではサラレイシ・ペルーではアワビモドキを使用)
日本では、佐賀県吉野ヶ里遺跡で「貝紫」で染色とされる布片が出土され、経糸が日本茜・緯糸が貝紫で染めた錦織物が発掘されています。さらに、縄文時代にも同じ貝を使って紫色を出す染色法が行われていた
痕跡が有りました。また、貝紫色は澄んだ赤みの紫色で「古代紫」とも言います。(志摩の海女がレイシやイボニシの貝紫で手拭を染めていました。) *柿渋 柿渋は、熟す前の青い柿を潰し、圧搾し、発酵させて作る抽出液で、平安時代には着物の染料として使用していました。そして、赤褐色で半透明の液体でタンニン(カキタンニン)を多量に含む事から日に当てる 事で、繊維の強度が増します。また、媒染剤なしで染色でき、染着性も良く色止めの必要がありません。しかし、急速な酸化による発色を防ぐ場合は、ソーダ灰 等で弱アルカリ処理を行います。また、一般的な 草木染めと異なり、媒染剤なしで染色でき染着性も良く色止めも必要ありません。但し、急速な酸化による発色を防ぐ意味では、ソーダ灰 等で弱アルカリ処理を行う場合もあります。 ― 媒染剤を使用した場合の例 ― 1)鉄(木搾酸鉄・二硫化参鉄) 鉄に反応し黒く変化し、濃度と媒染剤の濃度により灰色・ダークブラウン・黒色に変化します。 2)チタン チタンに反応し、黄色からオレンジ系の色合いに変化します。 3)ソーダ灰 ソーダ灰の濃度により色合いが変化します。また、後処理として使用する場合には、濃度を上げにように注意します。 4)その他 草木染めで媒染剤として使用される、銅・アルミ等には殆ど反応を示しません。 |