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え行


*槐(えんじゅ)
中国原産で、マメ科の高さが10〜20メ−トルにもなる落葉喬木です。若い蕾を乾燥させたものを槐花米(かいかべい)・槐米(かいべい)と呼び、中国では古くからの染料で黄紙や官吏が着る 絹の礼服 等を染めるのに用いていました。日本には古くから渡来し、平安時代に「恵爾須(えにす)」の和名が付けられた記述があり、黄紙や官吏が着る絹の礼服 等を染めていたようです。 染色には花または蕾を煮出し、煮染します。灰汁や明礬を媒染剤にして使うと、青味がかった黄色に染色出来き、硫酸銅または第一塩化鉄で媒染すると、青茶色(オリ-ブ色)に染まります。 また、アルミ・錫媒染で鮮やかな黄色に染まり、鉄媒染で茶色みをおびた黄緑色に染まります。
媒染による色の違いは、
 承和色(そがいろ)  花蕾  アルミ媒染
 黄色  花蕾  アルミ媒染
 甘草色(かんぞういろ)  花蕾  アルミ媒染
 海松色(みるいろ)  花材  銅媒染


か行


*貝紫
古代の人々は、通常植物から色を採取していました。しかし、「紫色」は貝からも採取していました。紀元前10世紀に地中海沿岸のフェニキアでは、 シリアツブリボラ・ ツロツブリボラの鰓下腺から得られる無色の分泌液に日光をあてる事で紫色に発色する特性から染色に用いる技術が生み出しました。