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液を抽出できます。
3)植物繊維を染める際は、豆汁 等で下染めをします。
4)先媒染法によるアルミ媒染の後、染色を何度も繰り返し濃色に染め上げていきます。 また、梅には「クエン酸」が多く含まれているので、紅花から「紅」の色素を取り出す時、その天然の クエン酸を染色の「媒染剤(ばんせんざい)」として利用します。

注:奈良県の月ケ瀬梅林は「烏梅」を作るために植えられた梅林で、薬用ではなく、主に紅花染め用に使われていました。
注:紅花染めの場合、まずオレンジ色の紅花から、アルカリ性の灰汁で紅色を分離し、 その後、烏梅(クエン酸)で繊維へ紅色を染着する。染色は、化学変化を利用して行われる。
注:梅染め 梅染めは、梅の幹材を細かく砕き、煎じて出来た染液を使用して染色する事を言います。染液は、「梅屋渋(梅谷渋)」あるいは「梅汁」と呼ばれ、榛(榛の木、はんのき) の煎汁を混ぜて作る事もあります。 また、媒染剤には、灰汁・明礬(みょうばん)・石灰・鉄漿 等を使用します。染色すると茶系統の色になり、赤味の淡茶色(梅染め) ・赤味の茶色(赤梅染め)・黒茶色(黒梅染め)の3種類選別できます。 そして、染液を売る専門の業者(梅汁屋)が明治時代末期まで存在するほど一般的に利用されていました。


鬱金(うこん)
インド原産のショウガ科に属する多年草で、草丈が40~50cm程度・葉は偏円形で、夏から秋にかけて淡黄色の花を咲かせます。日本へは奈良時代に伝来し、九州の一部や沖 縄などに自生してい ます。色素成分となる「クルクミン」を根茎に約3%程含んでいます。染め色は、媒染剤によっても変わりますが、例えば、酸の媒染で鮮やかな黄色(ウコン 染め)、灰汁水を使うと赤味の強い黄色(褐色)、 鉄を使うと濃褐色に染まります。 鬱金色は、鬱金草の根で染めた赤みの鮮やかな黄色で、媒染剤に灰汁を使用すると赤みが強くなり、酢を使用すると赤みの少ない 鮮やかな黄色になります。目立つ色が好まれた江戸前期頃には、赤系の緋色(あけいろ)に次ぎ紬 等の地色として好まれました。また、染料に使える色素を含むのは夏ウコンだけで、春ウコン ・秋ウコンは使用出来ません。