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2、反応染法
ドイツで考案された反応染法は、染料と繊維を化学反応によって結びつける方法です。日本では、昭和40年代頃に多くの染工場が硫化染から反応染法を取り入れました。また、セルロースの水酸基やタンパク質のアミノ基 等と共有結合する事で、染色が鮮明で洗濯の際の堅牢度が高く、綿繊維の染色には最適です。そして、生地の風合いを残したまま染色可能で、糊置き引き染めからスクリーン捺染まで幅広く使用可能です。(生地の無地染・衣料品・袢天・のれん 等)しかし、PL法施行以降は着衣として使用される製品には肌に触れる部分への使用は避けるようになりました。
3、還元染法(建染め染法)
インディゴやインダンスレン 等の建染め染料や黒や紺に染めるのに使われる硫化染料は、水には溶けない事から直接染料の様に染色出来ません。よって、色素がアルカリ性の水溶液で還元する事で水溶性となり繊維に染色可能となります。また、染色後に酸化し不溶の染料とする方法は染料に浸け、染料から出し空気に触れる事で酸化反応し不溶性の色素となり定着します。特徴は、洗濯時の堅牢度・太陽光に対する堅牢度が優れ実用性が高くなります。
*注 藍染
染料を染まる様に還元する方法を「建てる」と言います。そして、藍染の染液を発酵させて作る事を古くから「藍を建てる」呼びます。伝統的な手法としては、「すくも」に石灰などを加えてアルカリ性にし、天然の還元菌によって還元させます。
*注 インディゴ
インディゴは、還元するとロイコ体(ロイコインディゴ、黄緑色)というアルカリ性水溶液に溶ける状態になります。


4、発色染法
発色染法は、水に溶けない染料を使用し染色する方法でナフトール染料やアニリン・ブラック 等があります。(アニリン・ブラックは、塩酸アニリンの水溶液に繊維を浸し、重クロム酸ナトリウムの水溶液を通す事でアニリンが酸化し黒色に染色出来ます。)主に、綿・麻・レーヨン 等のセルロース繊維に使用し、色素が水に溶け難い事から洗濯堅牢度が高く、浸染や捺染に使用されてきました。しかし、現在では特殊な場合にしか使用しません。
注:浸染(しんぜん)と捺染(なっせん)
染める液の中に浸ける事で、布に定着させる浸染です。染料をプリントし、模様を染める捺染です。