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再度、表を向けて軽く全体をなでます。その後に自然乾燥させます。
注:紋付き、黒留袖などの式服は、地色は黒一色で染めます。黒引染には、特定の薬品、染料を用いて染める方法があります。代表的なものに「ログウッド黒染」というものがあり、 これは、ログウッドエキス(ヘマチン)とノアールナフトール(ノアールレヂュイ)を生地に引き、重クロム酸カリで酸化させて発色させる方法です。これを通称「三度黒」と呼び、 媒染染法の一つです。
10)「地染め」を施した後、生地をよく乾燥させ、「蒸し」の工程に入ります。生地を蒸すことで色を定着させます。大きな蒸し箱で30分から1時間ほど蒸しますが、地色によって 蒸し時間は異なり、濃い色ほど長く蒸します。
11)水洗いを終えた反物を乾燥させ、「湯のし」工程に進みます。絹は、伸縮性の強い素材で友禅染の場合は、何度も水を潜らせるため縮みも大きくなります。よって、最終段階に 限らず染色の途中でも湯のしを行うことがあります。
12)箔置や刺繍の工程
「箔置き」は、生地の表面に金箔や銀箔を使って装飾を施す事です。その技法は、摺箔・振金砂子・真綿もみ箔 等が有ります。
注:金彩の技術は中国から伝わり、日本では桃山時代に確立されました。手描き友禅が始まったのは元禄時代ですが、それ以前から存在しました。着物や帯に用いられるのは日本刺繍です。 刺繍の歴史は古く、仏教伝来と共に中国から伝来しました。 例:駒繍い・平繍い・返し繍・相良繍い 等
13)友禅の工程で最終段階になるものが「地直し」です。「地直し」は、全体の補正作業で染色の時の不具合をチェックし、染めむらやシミを補正する工程です。