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2)模様を描く 模様が決まった後、白生地に青花(つゆ草の一種から採集した青い汁)で模様を描いていきます。 3)「糸目置き」 下絵が描かれた生地は、友禅染の特徴である「糸目置き」を行います。糸目糊を置く事で、染料は他の色と混じる事を防ぎます。細い筒の中に糊を入れて指先で絞り出し、 糸のように細く均一な線を描きます。糸目置きに使われる糊は、宮崎友禅斎が生み出した友禅糊の他にゴム糸目置き(もち米とぬかと塩を混ぜる)があります。ゴム糸目の 場合は、糸目置きをした後に、糊伏せ、地染め、蒸し、水洗い、地入れ、挿し彩色を行います。再度、一度 蒸してからゴム糊を洗い落とします。 4)色挿し 「糸目置き」が終了し、地入れをし、糸目糊で縁取りされた模様の中に、それぞれの模様の色を挿して後に蒸します。 5)再度、糊伏せ、引き染め、蒸し、水元で糊を洗い流します。 注:「引染め」 刷毛で生地に染料液を染色する工程です。「引染め」は、生地全体を通して染色することが多く、最も広い面積を染色する手描友禅工程の中で「挿友禅」と並んで重要な工程です。 「引染め」は、地染めとも呼び、鹿の毛で 作られた刷毛で着物の地色を一気に染めていきます。 6)「伏糊工程」が終了した後、生地全体を点検します。 7)「端縫い」 生地を染めるのに都合のよい順序で、袖・身頃などの部分の生地を縫い合わせます。この作業は、仕立て時に全体の色が同じ色に見える様にするため必要です。 8)「引張り」 端縫いされた生地の両端に「張り木」を取り付け、片方ずつ工場に設置された柱に縛り付けます。次に、生地の裏面に小張り伸子を約15センチ(5寸)間隔に打っていきます。 伏糊の置かれた部分には、5センチ間隔程に細かく打ちます。生地を縦・横に張り、生地のシワを十分に伸ばします。 9)「地入れ」 染料液を均等に生地へ浸透し易くさせ、染料液が伏糊の内側ににじみ込むのを防ぐ働きをします。地入れ液は、豆汁(ゴジル)とふのり液を混ぜた液です。地入れ液の混合比は、淡い色を染める場合は、ふのり液を多くし、中色から濃色に染めるには豆汁を増やします。 地入れ液を張られた生地に刷毛を使い引いていきます。刷毛には、生地面に液が流れない程度に地入れ液を含ませ、生地に直角に引いていきます。生地の表面全体の地入れが終了後、 裏返ししなで返します。 |