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置賜紬(おいたまつむぎ)
注:紅 花
紅花は、黄色から赤になる花を咲かせるキク科の1年草です。エジプト原産の紅花は、かなり古くにインド・中国経由で伝わり、別名「末摘花」と言います。山形の紅花は、江戸時代には「最上紅花」として染色用・化粧用(京紅)として全国へ広がりました。紅花は山形県の県花に指定されています。「山形紅花」ブランドとして確立し、平成19年から販売をスタートしています。

― 山形紅花の収穫 ―
i@畑を耕し、4月上旬から中旬にかけて種を蒔きます。何度も葉を間引きし、高さが20〜30cmになったら土寄せと支柱立てを行います。
A紅花摘み
アザミに似た鮮黄色の花が、7月上旬から中旬に咲きます。花が赤みを帯びてきたら、早朝、刺が湿って柔らかい時期に「花摘み」をします。
B水揉み
摘み取った花びらを水に浸してもむと、花の色が黄色からオレンジ色に変わります。(紅花の水に溶けやすい黄の色素が分離する事で溶けにくい紅の色素が多く残ります)。
C発酵と杵つき
乾燥後、発酵させる事で残った紅の色素が増えます。そして、より紅色を増やす目的で臼に入れて杵でつきます。
D紅餅づくり
杵つきした紅花を丸め、「紅餅(べにもち)」を作り乾燥させます。乾燥させる事で、運搬しやすくする・染料の量を調整しやすくなります。
E色素の抽出と染色
紅餅を灰汁に浸し、紅色素が溶け出した後に糸を浸けて染めます。この段階で、オレンジ色に染まるります。さらに酸を加えて赤味を引き出します。以上の工程を繰り返す事で必要とする「紅色」を出します。
F織る
染め上がった糸で置賜紬を織ります。

注:置賜紬の分類
山形県の西置賜郡白鷹町は、江戸時代に米沢藩第9代藩主上杉鷹山の奨励によって養蚕と染織が広まった北の織物産地です。ここでの紬は置賜紬と呼ばれ、紅花紬・米沢紬・長井紬・米琉・白鷹紬など様々な織物の総称です。いずれも糸を先に染めてから織る先染めの織物です。