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琉球美絣駒上布


日本における絣の源流は、琉球の絣と言われています。木綿に琉球藍を使った藍染の紺絣は、その素朴な色合いと風格で琉球織物の代表とされています。沖縄では、この山藍の紺を主体に 「芭蕉布・宮古上布・八重山上布・首里織・読谷山花織・久米島紬など」あらゆる地域の織物に絣柄が織り出されています。広い意味で、琉球絣は沖縄織物の総称です。また、沖縄本島の南風原を中心に織られる絣でもあります。琉球に絣が何時・どの様な経路 で伝わったかについては諸説存在します。(インドから南方諸国に伝わり、それが北上して沖縄に入ったという説と、中国から伝わった説)どの様な経路を経てきたとしても沖縄の絣は、その生活に根ざした独特の絣模様を発展させてきました。琉球の絣の原料 である綿の栽培は、慶長十七(1612)年、儀間真常が薩摩から種子を持ち帰り、垣花地方に植えた事が最初であるとされています。染料の琉球藍は、別名「山藍」とも呼ばれ、キツネマゴ科に属する多年草で、古くから沖縄の代表的な染料です。藍と木綿と 絣の技法がうまくかみ合った事が、沖縄で急速に広く発達した要因と言えます。琉球の絣柄の基本となっているパターンは、70〜80点程あり、全ての柄には生活や風土にちなむ名称が付けられています。いずれも人々の日常生活に身近な場所や、自然の風 物から取られた図案で、これらをデザイン化し美しい基本柄を創り上げています。

琉球美絣木綿

琉球美絣木綿は、「故 真栄城興盛氏」によって始められ、現在は婦人の「喜久江氏」が後を継承しています。普通の琉球絣とは工程において違いがあります。琉球美絣木綿は、白い木綿糸 をまず濃紺になるまで染める「先染」を行っています。染料は、沖縄独特の琉球藍を使用し、これを発酵させた「泥藍」を使っています。染上げた糸は、締機か手括りで絣を作り、脱色し手織りで織上げます。木綿は8回程度、絹は10回程度繰り返して脱色しま す。脱色回数によって図柄が異なります。 

琉球美絣駒上布

駒上布は、「駒撚り」という強い撚りを掛けた絹糸を使用して織り上げられています。織上げると一見「平織」の様に見えます。薄手ですが、コシがあり、シワになり難い為、 「単衣」だけでなく「袷」としても着る事が出来る地風となっています。