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加賀繍(かがぬい)


絵や模様を、金や銀をはじめ多種多様な"絹"の色糸で繍い上げて描き出しています。
加賀には、室町時代初期に仏教の布教があり、これに伴い仏前の打敷(うちしき)・僧侶の袈裟(けさ)等の「仏の荘厳(しょうごん)」という飾りとして京都から伝えられました。江戸時代には、工芸品や文化を奨励していた加賀藩により「加賀の繍い」として珍重し、将軍や藩主の陣羽織・持ち物の装飾・奥方の着物などに広く用いられました。現在の 繍加工は、15種類におよぶ伝統的な技術・技法を用いています。



牛首紬(うしくびつむぎ)


明治の初めまで石川県白峰村は、牛首村と呼ばれた事から「紬の名前」となりました。紬織物(釘抜紬と呼ばれる丈夫な生地)と絹織物の両方の特性を持った玉繭 100%の糸で織られ、芯のない滑らかな絹の風合いとコシがあり、着心地は綸子の様な滑らかさで軽くてなじみが良く、保温・吸湿・通気性にも優れています。
1159年の平治の乱に敗れ、牛首村に逃れた源氏の一族が村人に織りの技術を伝えたのが始まりと伝えられています。牛首村は昔から畑地が少なく、村人たちは養蚕と炭焼きなどで生計を立ててきました。村で生産された繭は、良質のものは売りに出し、残った玉繭をもとに冬の間、糸を引き一枚の反物に仕上げます。昭和の初期がピークで需要が減退していきました。昭和25年、戦後復興に努力しますが紬生産は姿を消します。その後、各機業場に従事していた数人が家内職として生産を続けます。昭和30年には、加藤三次郎氏一家が伝統の技を唯一保持するのみとなりました。昭和38年に白峰村の地場産業振興をめざす地元企業の西山鉄之助氏が牛首紬の復興し、養蚕・織り・販売を一貫生産で「牛首紬」の商標を継承しています。

「伝統工芸品としての特徴」

・次の技術又は技法により製織された織物とすること。
(1) 先練り又は先染めの平織りとすること。
(2) たて糸に使用する糸は生糸とし、よこ糸に使用する糸は「座繰り」による玉糸とすること。
(3) よこ糸の打ち込みには、「手投杼」又は「引杼」を用いること。

・使用する糸は、生糸又は玉糸とすること。