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浜縮緬(はまちりめん) |
滋賀県の長浜地方で生産される縮緬の絹織物で養蚕が盛んであった為に、質のいい縮緬が多く丹後縮緬と共に「縮緬の二大産地」と呼ばれています。 別名を「長浜縮緬」とも言い、後染め用の白生地で、もっとも需要が多い一越縮緬(ひとこしちりめん)が有名です。 北近江(湖北地方)における絹織物は、和銅年間(700年代)に「綾錦(あやにしき)」という絹生地が織られていたそうです。以降「あしぎぬ」「浜ぎぬ」として織り継がれていきます。江戸時代 宝暦2年(1752)に、中村林助、乾(いぬい)庄九郎の二人 が「浜ちりめん」が作り出したと伝えられています。それ以後、彦根藩の保護を受けて繁栄し、現在でも長浜の伝統産業として受け継がれています。浜縮緬が強撚糸を使ったシボの高い重目の無地織物を主体とするのに対し、丹後縮緬は平織地に文様を織り出した 綸子などの紋織物を主体としています。ちりめん独特のさざ波のようなシワシワのことを「シボ」と呼びます。温かみや滑らかさのある「ちりめんの風合い」は、このシボによって生まれます。シボは、強いヨリをかけたよこ糸を使って布を織る事で左右の撚糸の ヨリが戻ろうとして縮む為に出来ます。浜ちりめんに織り込まれた緯糸は、八丁撚糸機でヨリがかけられています。八丁撚糸は、水をかけながらヨリをかけるという特徴があり、強いヨリが得られるので、絹の光沢が増し、弾力性のある体になじみやすい布が出来 きます。浜縮緬の種類は、シボの高い一越縮緬・古代縮緬・「たて糸とよこ糸」を撚糸の工程で変化させた変わり織縮緬があります。その他には、絹の紡織糸を使って織った浜紬があります。 |
網糸紬(あみいとつむぎ) |
約450年前から織られ、利休が「侘」「寂」の極致として絶賛したと云われ、主に帯地として活用されて来ました。緯糸は、琵琶湖で使われた魚網(絹、麻、綿など)や水鳥の羽毛などを紡ぎ直して使用し、手機で織りあげます。 |
野洲木綿(やすもめん) |
正藍で染めた綿糸で織った木綿織物で、昭和33年に無形文化財に指定されています。 野洲地方の農家では、自家用の衣料を織るために綿を栽培していました。栽培した綿花を紡ぎ紺屋に染めに出して木綿を織っていたそうですが、衣生活が変化に伴い、藍染木綿の需要が減少し現在では伝統を維持するのみになりました。 ・染色法 人工加熱を使用せず、藍を木桶に入れ、初夏の気温を利用して自然発酵させ染色します。 この方法は、宮城県の「栗駒正藍染」に伝承されている染色方法と同じです。 |