戻る | 次へ |
村山大島紬 |
江戸時代後期に始まり、1920年頃に正藍染め(しょうあいぞめ)の錦織物(村山紺絣)と玉繭による絹織物(砂川太織(ふとおり)が出会い絹織物の村山大島紬が生まれました。現在では、東京都指定無形文化財の認可を受けています。特徴は、板締め注入染色法という独特技術で染めた絣糸を用いる事にあります。板締め注入染色法に使用される絣板は、織物専用の方眼紙に板図案を描き、板図案を樹齢100年以上の「水目桜」に精巧な技術で板彫りして行きます。「製造工程」10行程で、下準備を含めると40行程とも言われています。 その概略は、 本図案から村山産地独特の方眼紙に「マキ・粒・小粒等」で板図案を描く「絣板彫り」を行います。みずめさくらの巨木を製材し、長時間煮込み均一性を出し板図案を置き、サクリと呼ばれる独特の鉋で一気に彫り込み染料の流れる溝を彫り出して行きます。「板締め注入染色」で染め上げられた絣糸が、通常は地色が一色なので、柄により染料をすり込んで、様々な色を付けていきます。染め上がった絣糸を、綿糸を使用し括り糸のズレ防止をします。この作業は、「すり込み捺染」と呼ばれ綿糸を巻き付けた竹べらで、染料をすり込んでいきます。そして、手織り機を使用し、経絣に合わせて緯糸・経糸を打ち込みます。 「伝統工芸品としての特徴」 ・次の技術または技法により製織された「かすり織物」とすること。 (1) 先染めの平織りとすること。 (2) かすり糸は、たて糸及びよこ糸に用いること。 (3) たて糸のかすりとよこ糸のかすりと手作業により柄合わせをしながらかすり模様を織り出すこと。 ・かすり糸の染色法は、「板締め」によること。 ・使用する糸は、生糸とすること。 |