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信州紬(しんしゅうつむぎ) _3 |
注:「天蚕とは」 長野県の穂高町が一番の産地で、飼育が難しく、「繊維の女王」と言われるほど珍重されています。 本来、天蚕は日本を原産地とする蛾で、普通の絹織物より糸の光沢は有り、親から孫の代まで3代に渡って着られる事から“天蚕三 代”とも言われています。天蚕は、年に収穫が多くて2回しか取れない事も珍重される理由です。 注:「柞蚕とは」 原産地は、中国で、天蚕との違いは、繭が褐色を帯びている事です。 3)飯田紬(いいだつむぎ) 天竜川上流の飯田地方でも古くから良質の生糸の産地で知られていました。養蚕業が盛んな為、農家も自家繭を用い手織り紬を織っていました。織物が出始めたのは、江戸時代末期で、 江戸・京都・大阪で販売され人気を集めていました。 その頃、富田という土地の人が、自家製の糸を使って入念に織り、薄絹を作った事から「富田絹」と呼ばれました。また、「オコンド」という屋号の機屋が開発した縮緬から由来した 「オコンド縮緬」が飯田紬の始まりとなりました。 しかし、今ではかつての面影はなく、素朴な手織紬と白生地等を製織するのみとなりました。結果として流行に左右される事なく、民芸織物として愛好されています。 ー 技 法 − 経糸は甘撚りの生糸、緯糸は玉繭による真綿の手紡ぎ糸を使用します。また、経・緯糸両方の紬糸を使用する場合もあります。 染色は、白樺・椿・栗・山漆・梅・胡桃・松葉・茶・柿・萩の染料となる植物を使用 します。これらを、夏の天日で4〜5日間乾燥させ、細かく刻み、大きな木綿袋に入れ、糸染時に5時間煮詰め、その中に糸を12時間程浸して染色します。 また、媒染は灰汁か石灰汁を用います。織る時は、縦糸のみ糊付けをし、乾燥 させてから織り上げます。 |