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〈リング式撚糸機〉

1830年アメリカで発明されました。綿紡をはじめ各種繊維に広く用いられ、生産能率が非常によく、紡績工程を革新したと言われています。そして、明治末期は日露戦争後の高級絹織物の量産とともに輸入されました。現在は、西陣地区で最も多く普及し活躍しています。多品種・少量生産で付加価値の高い西陣織に適した撚糸機あることからイタリー式撚糸機にとって代わりました。

撚糸機械にかける前に、機械に通り易くするため絹糸に油をつけます。この工程をソーキングと呼びます。そして、ソーキングで付いた余分な油を取り、乾燥させた綛状の生糸を糸繰り機にかけ、木枠またはボビンに巻き取り、合糸が行われます。撚糸機にかけられた生糸が給糸ローラーから送り出され、リングの周囲を高速で回転するトラベラによって加撚されます。加撚された糸は、スピンドルとトラベラの回転数の差でスピンドルに差し込まれた木管に巻き取られます。そして、一方向に下撚りがかけられた糸を2本以上合わせ、逆方向に撚りをかけることで必要な撚糸が行われます。日本では綿紡の大部分がリング撚糸機を使用しています。

注:綿紡糸とは
綿花・羊毛・麻・絹などの繊維を紡績加工してつくった糸で、機械紡績による片撚(かたよ)りの綿糸。