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撚糸機の種類
撚糸の一般的な工程は、
「原糸の糸繰り」―>「合糸」―>「撚糸」―>「綛揚げ」(かせあげ)の順序で行われます。
「撚り」の方向は、右撚り(S撚り)と左撚り(Z撚り)があります。太い糸を作る為には、原糸を何本も合わせて撚ります。「撚り方向、撚り方、撚り回数」の組み合わせで絹糸の表情が異なり、用途も変わってきます。
 
 綛揚げ台(綛を作る道具)
太い糸を作るには、原糸を何本も合わせて撚ります。八丁撚車は、縮緬緯糸の撚糸機として使用され、錘は約8000回/分で回転し、1錘で左右2錘分の働きをします。また洋式撚糸機は、イタリー式・リング式・フライヤー式 等があります。また撚りの形態としては、主として一本片撚糸・二本片撚糸・三本片撚糸・諸撚糸・片二本諸撚糸・三本諸撚糸・壁撚糸・スプリング撚り・リング糸・ポーラー糸 等があります。


〈張撚式撚糸機〉(和式撚糸機)
張撚式は、前後に糸を伸ばし、それをねじり、ねじり終わった後に糸巻きへ巻き取る方式です。張撚式撚糸機は、独楽撚りの独楽に代わり、錘(つむ)と呼ばれるかぎ針状に先を曲げた鉄芯に、木管を付け並べ、撚糸をベルトとして下の元車に接続します。元車を回すと錘が回転し、錘の先に結び付けられている糸に撚りがかかる仕組みになっています。張撚式の元車の動力は、以前は足踏み式でしたが、現在は電動モーターが使用されています。電動モーターの導入によって、錘の数量も増え、工場の長さも35m以上と拡張しています。一方向に下撚りされた糸を、必要本数を同じ錘にかけ、反対方向に上撚りをかけ、大枠に巻き取り「綛」に仕上げます。古くは袱紗などの綴織 (つづれおり)に使用されていましたが、現在では西陣地区でも少なくなりました。
注:名古屋で大正末期に足踏式へ改良され、ほぼ同時期に知多へ導入され、昭和初頭に動力化しました。