戻る 次へ


撚り姿による分類
基本的には、4種類あります。
a) 片撚り
単糸または2本以上の糸を引揃え、SまたはZの撚りを掛けた糸です。光沢が強く、摩擦に弱く、引き揃えた糸の本数で2子、3子・・・と呼びます。
b) 双撚り(諸撚り):
片撚り(下撚り)のかかった糸を2本以上引きそろえ、さらに片撚りと反対方向の撚り(上撚り)をかけた糸です。片撚りと駒撚りの中間で、最もよく使われています。
c) 駒撚り:
双撚りと撚り方は同じですが、撚度(撚りの回数)がきつい撚糸です。摩擦には強く光沢が少ない撚り方です。
d) 飾り撚り(意匠撚り)
芯にある糸を包むように右撚りと左撚りをかけた糸です。強撚糸を使用しなくても多少の凹凸が出ます。また、「タスキ撚り」とも呼びます。

説  明  図

f)その他
*平糸 
絹糸で撚りをかけていない糸です。
*お召糸 
緯糸で1メートル間に300回ほどの下撚りをかけます。精練と染色を行い、1メートル間に1400回から1500回ほどの強撚をかけた糸です。
*玉糸 
玉繭から作った糸です。玉繭は、一つの繭の中に蚕が二頭以上いる繭の事です。
*八丁撚糸 
八丁撚糸機で撚った糸の事です。強力な撚りをかける事が出来ます。
*壁糸(かべいと) 
飾り糸の一種です。太い糸に強い撚りをかけ、無撚糸の細い糸と太い糸を引きそろえ、反対の撚りをかけます。太い糸の撚りが戻り、糸の周囲に螺旋状に巻き付きます。この糸を緯糸にして織ると、横方向に縮んで凹凸ができ、織物の表面に細かな皺(シボ)が出ます。壁縮緬(ちりめん)・壁透綾(すきや)・壁風通(つうふう)・壁一楽(いちらく)・壁糸織(いとより)・壁羽二重(はぶたえ)・壁御召(おめし)などに使用されます。