戻る 次へ


絣の染織技法
絣の作り方は、防染(染めないで絣を作る)・捺染(染めて絣を作るか)・抜染 (染めたものを抜いて作る)に分類されます。手法としては、防染は手括り・機械括り・織締め・板締めがあり、捺染は摺り込み・櫛押し・ほぐし ・ブロック捺染があり、抜染は抜染絣があります。
・防染によるもの
「手括り」
越後上布・久留米絣・結城紬・久米島紬などの重要無形文化財に指定されている織物は、絣を作る時には「手括り」を条件としています。防染は、 糸の防染したい箇所を別の糸で括って染料が浸透して来ないようにします。括り糸は、木綿の絣では荒麻(あらそ)が用いられていました。(結 城紬では、1mm以下の絣が括れるということで木綿のカタン糸が用いられてきました。)
「機械括り」
上記の手括りを機械で行います。1909年に国武金太郎が括りの機械を製作しました。そして、改良を重ね「経括り・緯括り」を可能にします。
「織締め」
大島紬の絣を作る方法として知られています。小絣を作るのに適した方法です。久留米や伊予の精巧な絣などでも使用される方法です。締機とい われる専用の織機(緯糸用の織貫機と経糸用の織経機があります)を使い、絣にしたい糸に対し木綿糸を上糸と下糸にして挟むように織り(織ら れた状態を絣筵と呼びます)、浸染します。そして、織りを解くと上糸と下糸で挟まれていた部分は白く残ります。経糸緯糸を完成させて後、再 度織布し絣が出来上がります。
「板締め」
染める箇所を凹型・染めたくない箇所を凸型にした2枚の同じ形の板で挟み、締め付けて染料に浸けます。凹型部分は染料が入り込んで染まり、 凸型部分には染料が浸み込まず防染されます。

・捺染によるもの
「摺り込み」
糸を長く張り、木製または竹製の摺りこみへら2本に染料を付け、糸の上下からこするようにして直接摺りこんで染める技法です。八重山上布の 紅露根の染料で染めた絣は、伝統的にこの方法で染めていました。