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桐 生 織

桐生織は、群馬県桐生市において特産とされる絹織物である。
・伝統的工芸品「桐生織」の条件
(1)主として日常生活に使われるものであること。
(2)主要工程が手づくりであること。
(3)江戸時代以前からの技術や技法を受けついでいること。
(4)江戸時代以前から使われてきた原材料を使用すること。
(5)生産地が桐生市を中心に近接市町村にまたがり織物の「産地」を形成していること。

桐生織には7つの織りの技法がありますが、その中で、桐生織の代表的な生地である、「お召織」ができるまでを紹介します。

糸の準備
1)製糸  
蚕の繭から絹糸を製糸します。たて糸、よこ糸で使用する糸の種類は異なります。
2)精練・染色 
薬品を入れた熱湯の中で60分生糸を練り上げ、余分なものを取り除いたのち、糸を指定の色に染め上げます。
3)糊付け 
お召し独特のしぼを作るために、よこ糸に繊維の重さの倍の量の糊をもみこみ、あとの撚糸の際によりがもとに戻るのを防ぎます。すべて手作業で行われます。
4)撚糸(ねんし)
ごく細い糸をよりあわせて糸を丈夫にすることを撚糸といいます。お召しでは桐生で開発された八丁撚糸機を使用して、1mにつき、1500回から2000回の強 いよりをかけます。この後糸繰りをして、整経、管巻きの準備をします。
5)整経、管捲き(せいけい・くだまき)  
たて糸の本数、幅を決めて、所定の長さに整えます。これを整経といい、よこ糸を木管に捲(ま)くことを管巻きといいます。こ こまで糸の準備が整ったら、糸は織り場に運ばれます。
6)意匠、紋切 
着物のデザインをします。紋様を意匠紙という方眼紙に写し取り、それに従って紋紙にたて糸の上げ下げの情報を指示する穴をあける紋切という作業が行われます。
7)機拵え(はなごしらえ) 
紋紙やフロッピーからの指示を綜絖(そうこう・たて糸を上下させる装置)に与える機械がジャカードです。紋紙、フロッピーをジャカードにセットし 、綜絖にたて糸を通していきます。
8)織り 
たて糸が上下する間をよこ糸が左右に行き交うことで、糸という「線」が織物という「面」になっていきます。ジャカードがたて糸の上下の幅を指示するため、様々な文様 が織物の表面にあらわれます。織りあがった布地の表面は細かく検査されます。
9)しぼ出し 
お湯に反物をひたし、よこ糸についている糊を落とします。こうすることで布地の表面にしぼがあらわれます。
10)整理 
しぼ出しをして縮んだ布地を湯のしして幅を広げます。木づちで叩き、風合いをだして完成です。