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縮 緬 (ちりめん)

縮 緬 ちりめん(縮緬、クレープ織り、仏:crepe)は、絹を平織りにして作った織物です。縦糸にはほとんど撚りのない糸を使い、横糸に強い撚りをかけた右より (右回りにねじる)と左より(左回りにねじる)の糸を交互に織ったものです。そのため精練すると布が縮み生地の表面にしぼ(凹凸)が現れ、主に高級な呉 服や風呂敷に使われます。縮緬の歴史はやはり中国からの渡来で、天正年間(1573年から1593年)最後の方の時代です。当時の中国は明の時代。その明の国か ら大阪は南泉州堺に伝わり、その後西陣に伝わり1720年頃に岐阜や丹後の加悦に伝わり、長浜に伝わり染色でも大きな貢献をしました。

1)主な特徴
「絹・レーヨンで織られたちりめん」
     水に付けると縮む為水分を避ける事が大事となります。
「ポリエステルで織られたちりめん」
    水に付けても縮まない特徴を持っています。

2)種 類
  鬼縮緬・鶉縮緬・絽縮緬・紋縮緬・錦紗縮緬などの種類があります。

江戸縮緬 
江戸時代に作られた縮緬全般の総称で、主に日本の自然を表した模様を写したものです。現在、「江戸縮緬」といわれているもののほとんどが、明 治期のものです。

鬼縮緬
  
大きな「しぼ」が特徴で、明治時代半ばに作られたものです。「鶉縮緬」や「鎖縮緬」とも呼ばれます。

錦紗縮緬 
普通の縮緬よりも「しぼ」が細かく光沢があり、滑らかな肌触りです。大正から昭和初期に作られ、洋花などの大胆な柄が多い。

綿縮緬
  
綿と絹で織られたものです。「しぼ」はありますが、しゃきっとした肌触りです。

壁縮緬
 
「壁糸」という特殊な糸を緯糸に用いた縮緬風の織物です。明治から大正にかけて流行し、かたい肌触りで伸縮性があまりない。

絽縮緬
  
昭和初期に流行した夏の着物地で、絽目という隙間があリ、柄も涼しげなものが多い。

紋縮緬  
地紋が織り込まれた縮緬です。光沢があリ、光の加減で模様が浮き上がります。

御召縮緬 
糸の段階で先染めして模様を織り上げた先練り織物です。十一代将軍徳川家斉が好んで着たことからお召しの名が付けられたといわれています。