5)力織機
最初の力織機(機械式織機)は、1785年にイギリス人エドモンド・カートライトが製造しました。力織機はシャトルを用いて緯糸を通していましたが、20世紀始めにより速く効率的なシャトルレス
織機が使われるようになりました。カートライトの力織機発明後の1802年,英国のラーデクリフにより発明された19世紀末イギリス製のハッタスレー織機と昭和初期の半木製品があります。
手機から力織機への過渡的な織機で、日本でも木綿生産地で、半木製の小幅織機に改良されたものが使用され、現在では木綿絣の生産にわずかに使用されています。
6)杼替織機と無杼織機
織りが動力化すると、杼の取替えの自動化を図る織機が登場しました。1924年に豊田佐吉が発明した織機の運転を停止することなく杼を取替えることができる無停止杼替式豊田自動織機(豊田G型織機)が発明されました。この特許で得た利益がトヨタ自動車の基礎となったそうです。この豊田G型自動織機は、世界で初めて実現した無停止自働杼換装置
を初め24の自働化と保護・安全装置により、高速運転中に少しもスピードを落とすことなく円滑に杼(ひ)を交換してよこ糸を補給する事が可能で、生産性は大幅に向上したそうです。
G型自動織機は、総合的性能と経済性で世界一と評価され、各国の繊維産業の発展に大きく寄与しました。しかし、杼の往復運動では織りの効率化に限界があります。そこでヨコ糸だけを飛ばす無
杼織機が開発されました。1970年代に日産自動車によって空気で糸を飛ばすエァジェット織機が開発されます。
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