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緯糸の準備

緯糸を巻く管が「小管(こくだ)」、その小管を通す道具が「杼」です。下の図のような、経糸の間を通すための「杼(ひ)」に糸を巻き付ける事が緯糸の準備作業です。



杼は、各地方の地場産業が生み出した織物によって様々な形や特色があり、こうして育まれてきた形の中から、多様な織り方に適し扱いやすいものが一般に使用されています。形状は、細長い楕円で、両端がなだらかな鋭角があり、中央の楕円の空間に小管を通すヒゴを挿します。
綿糸やウール糸を緯糸に使う時は、厚みがある杼を使用し、絹用の杼は、綿ウール用の杼に比べ薄くできています。また、小管に巻けない太い糸、緯糸を複数本引き揃えて織る時、裂織(さきおり)の裂布(さきふ)を織る時などは、「板杼(いたひ)」を使用します。