*綜絖通し
「綜絖通し」は、綜絖枠に並ぶ綜絖糸(そうこうし)= ワイヤーヘルド(輪の中)に糸を通していく作業です。
綜絖枠(そうこうわく)の枚数は普通4枚ですが、織物は2枚の綜絖から織ることが出来ます。経糸本数が多い場合には、2枚綜絖ですと経糸が擦れたり、綜絖枠が重くなるため、4枚綜に増やす事で経糸本数を1/4に分散させます。
注:2枚綜絖は平織のみの「組織」になりますが、4枚綜絖だと組織の幅が広くなります 。また、ろくろ式高機の場合には綜絖枠の枚数は偶数になります。
綜絖糸(ワイヤーヘルド)は、糸の太さにより使い分けます。細い糸で細かい筬の場合は細い綜絖糸を用います。(ウール糸や綿糸に適した27番ワイヤーヘルド)
また、綜絖糸の本数は経糸本数によって調節します。
綜絖通しで経糸を通す道具は、工程と同じ名前で「綜絖通し」といいます。先端が鉤状になっていて、ここに経糸を引っ掛けて綜絖糸に通します。糸種や綜絖糸の種類に合わせて普通のタイプと絹用の細いタイプの2種類があります。
*筬通し(筬は、織物の幅を保つ役割と打ち込み具としての役割) |
織り機の手前に固定された筬に綜絖通しした糸を通す作業です。ヘラ状の道具を使い、あやの順番通りに通します。糸を通す隙間のことを「筬目」といい、筬目の粗さ細か
さの単位を「羽(は)」と言います。「鯨寸間筬」で、8羽から70羽まであり、10羽・15羽・20羽と5の倍数の羽数が多く、8羽・12羽・18羽・48羽の4種が入り「織の計画」に沿った筬を選びます。筬の数字
の意味は一寸間(鯨尺1尺の1/10)にある筬目の数で、10羽は1寸に筬目が10目あります 筬の数字が大きいほど筬目が細かく、小さいほど粗くなります。筬目に糸を1本通すことを「片羽」・2本通すことを
「丸羽」といいます。他に、筬目に3本通す三刺し(みつざし)や4本通す四刺しなどがあり、糸を入れない筬目を「空羽(あきは、からは)」といいます。ひとつの通し方だけではなく、複数の通し方を1
枚の布に使用することもあります。筬の選び方は、何を織るか、どのように織るか、どの程度の打ち込みにするか、糸の強度撚度などを考えて決めます。
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