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そ の 他 | |
1)支子色(くちなしいろ) | |
クチナシの実で染色した、少し赤みのある黄色です。「梔子色」とも表記し、赤みの濃淡があります。 |
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2)楊梅色(やまももいろ) | |
明るく渋い黄褐色です。楊梅は、ヤマモモ科の常緑高木で、食用の実を付けます。楊梅色は、実の色ではなく樹皮を染材として使用します。
楊梅の樹皮を乾燥させたものは、楊梅皮(ももかわ)と呼び、古くから茶系の代表的な染材です。楊梅皮で染色した色は、「茶色」という色名より古くから使用されていました。楊梅色は、楊梅皮に明礬(みょうばん)
を媒染剤「茶色」に染色し、媒染剤を鉄塩に代えることで「焦茶色」に染色します。江戸時代に茶系が流行した事で楊梅皮での染色が広まりました。 |
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3)鬱金色(うこんいろ) | |
鬱金草の根で染める赤みの鮮やかな黄色です。鬱金草は、インド原産で日本には奈良時代に伝来しました。「鬱金」の原義は、「鮮やかな黄色」という 意味で、呉音「ウッコン」が「ウコン」となったそうです。鬱金による染色は、灰汁を利用すると赤みが強くなり、酢を利かせると赤みの少ない鮮やか な黄色になります。鮮やかな色合いは元禄文化を象徴する色の一つでした。 |
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4)柘榴色(ざくろいろ) | |
紅みを帯びた深い赤色、または柘榴の花のような鮮やかな橙色で「石榴色」とも表記されます。柘榴は、平安時代に渡来し、果実に種子が多いことから
子孫繁栄の「吉祥果」呼ばれました。染色には、主に果実の果皮を用います。タンニンが多いので、アルミ(みょうばん)媒染で黄色、鉄媒染で焦げ茶
色に染色出来ます。江戸中期の文献「鄙事記(ひじき)(貝原益軒)」には、ザクロの果実とビンロウジの実、五倍子、藍を使った黒染の方法が、江戸
後期の文献「機織彙編(きしょくいへん)」には、ザクロの果皮とヤマモモの樹皮、藍を使った黒染の染め方が記されています。 |