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紫系の色
紫色の色素として日本では、ムラサキ科の紫草の根を使用しています。紫草は、多年草で夏に白い花を咲かせます。採取した紫草の根を乾燥させ、石臼で潰し、 麻袋に入れ、湯を注いで漉します。この工程を紫根から紫の色素が出なくなるまで続け、染液を抽出します。地中海沿岸地域では、貝の内臓の色素を用いた貝紫があります。日本では、弥生時代の吉野ヶ里遺跡の染織品に残されている そうで、江戸時代の木綿縞に使用されています。
 貝紫
古代の人々は、植物から色を得る他に貝から紫を取り出していました。その例は、佐賀県の吉野ヶ里遺跡出土の貝紫で染めた布片・経糸が日本茜で緯糸が貝紫で 染めた錦織物などです。海外では、紀元前十二世紀頃のペルー遺跡から発見された木綿布が世界最古の貝紫です。また、ヨーロッパの古代フェニキアで盛んに貝染が行われてもいました。 貝紫は、小さな貝の内蔵(パープル腺)から得られる分泌物で染色します。貝から採取される紫は、ほんの僅かで限られた身分の人しか身につける事が出来なかったようです。
 紫草
今では自生種が絶えていますが、かつては広い範囲で分布していました。武蔵野が有名な自生地ですが、現在では野生の紫草は絶滅しています。紫を染色するには、紫草の根を染料としています。紫草の花は、5月から6月に白い花を咲かせます。その地中に伸びた根を秋に収穫し、乾燥させ、石臼で潰し、麻袋に入れ、湯を注いで漉します。紫に染めるには大変な手間がいるために一部の高貴な人しか着用出来ませんでした。