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藍といっても、インドではマメ科のインド藍(木藍 もくらん)、南北アメリカ・中近東ではインド藍に似たナンバンコマツナギ、琉球ではキツ ネノマゴ科の琉球藍、中国揚子江・日本本土ではタデ科の蓼藍、ヨーロッパ寒冷地・北海道ではアブラナ科の大青が用いられ各地によって異なっています。日本では、藍(青色系)は、タデ科の蓼藍という植物の葉っぱ を使って染め、「生葉染め」と醗酵させて染める「建て染め」という2種類の染法があります。(平安時代までは主に「生葉染め」で染められていました。)生葉染めは、タデアイが収穫可能な夏にしか染められませんが、 綺麗な緑がかった青に染色でき、何回も染め重ねると深い青になります。
藍で染上げた青色は、水洗いにも強く、濃く染めれば日光にもかなり強く、濃度調節がしやすく、うすい綺麗な青みから濃紺まで自由自在に染色可能です。この事から、藍で染める色には、特別に「縹(はなだ)」という色名が出 来たという説があります。縹色は、平安から室町時代にかけ明確な定義を持ち、「藍だけで染めた全般」を縹色と呼んでいました。
注:薄く染めれば浅縹(あさきはなだ)、濃く染めれば深縹(こきはなだ)、透明感のある青に染めれば水縹(みはなだ)、萌黄(もえぎ)のような緑系の色は、藍と黄色を掛け合わせる 江戸時代になり、木綿が広まり木綿素材の藍染め(阿波藩における生産が盛んで、現在でも徳島県の藍染めは全国的に有名)が巷に出回るようになると「縹」から「花田」に変わり、「藍色」という言葉に変化したそうです。 そして、青系統の代名詞となり現在に至っています。

藍の抽出方法
蓼藍の葉から色素を抽出する方法は多種あります。生葉から抽出する「生葉染め」が可能な時期は、真夏に取る葉に限られます。しかし、濃い藍色に染め ることは出来ません。灰汁などのアルカリ性の液体に藍葉を浸して沈澱させる「沈澱法」もあります。 日本では、近世以後に「すくも法」が広く行われていました。藍染めのための染料は、蓼藍を発酵させて作ります。その製造工程は、複雑で長期間かかります。まず、蓼藍の葉をよく乾燥させ、乾燥葉に水を繰り返しかけて蒸らし、 発酵させ、腐葉土のような状態を作ります。これを「すくも」と呼びます。「すくも」を、運搬し易いよう臼で突き固めて乾燥させ、扁円形の小さな塊にしたものを「藍玉」と呼びます。染料として使用する際には、「すくも」を、 灰汁などのアルカリ性成分と日本酒などの糖分を混ぜた液体に浸けて発酵させます。この工程を「藍を建てる」「発酵建て」と呼びます。天然の藍は、この様な長期間の工程をかけて染色していきます。

   
 藍の種  藍の葉  すくも 藍玉