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絹の利用用途
シルクは、風合いや保温性、通気性、光沢性など様々な利点があり、ブラウスやシャツ、セーター、着物など高級衣料品に使用されています。また 、寝具など人の肌に触れる製品にも高級素材 として利用されています。保湿性をもつアミノ酸の効果を利用して、化粧品ではプロテイン配合シャン プーやシルクパウダーなどが作られています。また、食品でも、クッキー、パン、うどん などに使われています。

絹の呼び方(デニール)
生糸・絹糸(フィラメント糸)は、0.05gで長さが450メートルあるものを「1デニール」と呼びます。糸は、数個の繭から糸を取り出し、束ねて糸にするため、生糸の太さにはムラがあり、ぴっ たりの太さにはなっていません。そこで、生糸を取り引きする際は、14デニールを中心として若干太さムラのある糸を「14中」と呼ぶ習慣になっています。デニールは、絹糸以外では化合繊フ ィラメント(合成繊維全般)で使用されています。

絹の製造方法
最終的な絹糸の太さは、約1デニール(1グラムで9000メートル分の長さ)があります。
一匹の蚕は、一生の間に20グラムの桑の葉を食べ、体積で75倍・体重で約1万倍にまで成長します。全身が黄金色に透き通った熟蚕 (じゅくさん)になると、1分間に60回くらい頭を振り、 S字を描きながら繭をつくり始めます。この動きは「シルク・ウエーブ」と呼ばれています。繭の重さは約2グラムで、そのうち80パーセントが「さなぎ」で、残り20パーセントが繭(まゆ) の層(糸になる部分)です。この繭の層のほぼ85パーセ ントが生糸になり、残りの15パーセントは絹紡糸の原料になります。蚕からはき出される糸(絹繊維2本含有)は0.5グラム。糸の 長さは1200〜1500メートルで、太さは2.8デニールです。繭を収穫し、80℃くらいの乾熱にさらして殺蛹(さつよう)し、製糸工程に移され生糸が作られます。

染色に関する事項
生糸を精練(生糸のセリシンを溶解除去 )後、水で膨潤させた糸を40〜50℃程度の染浴に浸漬させてから加熱します。良くかき混ぜながら温度を上げていきますが、生糸は85℃以上温度で絹繊維の光沢が 損なわれてしまいます。20〜30分かき混ぜながら染まり具合を確かめ最後に水で残った染料を洗い流します。