戻る | 次へ |
注:上布 手績み(麻を細かく裂いて紡ぎ、撚り合わせる)した細い糸を、産地独特な技法で織り上げ、加工した麻布のこと。 注:青苧(あおそ) 別名をカラムシと呼ぶ青苧は、茎の白い繊維が強靭で美しく、古くから織物の材料とされてきました。山形県置賜地域で本格的に生産を開始した時期は、直江兼続が上杉藩の国替えで越後から米沢に来てからと言われています。そして、越後縮(えちごちぢみ)や奈良晒(ならさらし)といった織物の材料として日本各地へ供給されました。しかし、上杉鷹山公の時代に絹織物へと転換し、織物としての青苧は埋もれていきます。 苧麻の特徴 1)苧麻の繊維は、短繊維の長さ70〜300mm太さ18〜30μ(約5d)です。強力は大きく、伸度は小さくなります。 2)繊維構造は中空で、水分の吸収・放出が早く、清涼さがあり、光沢に富んでいます。 3)リグニング(木質)が、多少残っている事からハリ・硬さが出ます。 4)一般的に生産されている苧麻の番手は、麻番手で120・100・80・60・50・40・30・25・20・16・8 等です。 苧麻紡績糸に関して 1)苧麻の紡績工程は、 青苧−>精錬−>精乾綿−>ラミートップ―>精紡―>糸 2)精錬工程は、 酸処理−>煮練−>漂白−>給油−>乾燥 3)トップメーキングは、 軟繊−>カット−>開繊−>カード−>練条−>コーマ−>後処理 となります。 4)苧麻の主な生産番手は、120・100・80・60・50・40・30・25・20・16・8 等です。 5)苧麻の取り扱いでの問題点は「長いケバ」ですが、「糊付け」・「ガス焼き」を行う事で解決します。 注:糊付け フノリなどの水溶性・蒟蒻ノリやビスコースなどの不溶解性のものを使用します。 注:ガス焼き(毛焼き) 用途と加工工程によって、通常細番手の糸を双糸にして行う場合と織布の後で行う場合があります。 |