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亜麻繊維の特長

亜麻は麻を代表する繊維で、原料段階ではフラックス糸、後の工程ではリネンと呼びます。また、亜麻科の植物で、草丈60〜130cm 直径1.0〜1.5mmの茎径となり、亜麻繊維は茎の靭皮部分から取り出します。亜麻繊維は、短繊維の長さ20〜30mm・太さ15〜37μの 集合繊維です。
集合繊維とは、短繊維が集まって一本の繊維の様に見え、短繊維の一本一本が、ペクチンで糊付けされて隣接の繊維と固着した状 態にあります。短繊維の断面は、多角形で中に空洞があります。集合繊維になる為に必要な糊質はペクチンで、また少量のリスニングが含まれて います。よって、洗濯を行う事で徐々に外側のペクチンが脱落し、柔軟性が増し、色は白くなります。そして、布帛製品に加工され原材料表示欄 には「麻」と表記されます。同じく「麻」と表記されるものに苧麻(ラミー)があります。
日本では、苧麻や「ヘンプ」と表記される大麻が活用 されています。大麻のゴワゴワした繊維と亜麻の繊維が混同されがちですが、亜麻の繊維は滑らかです。亜麻素材は、肌に優しく、コットンやシ ルクに比べ吸水・発散性に優れ、涼感があるのが大きな特性で、天然素材の中でも最も汚れが落ちやすく、洗濯にも強い素材です。そして、絹素 材と同様にペクチンが含まれている事からソフト感触が有り、防カビ性に優れ、雑菌の繁殖を抑制します。そして、繊維の中に空気が含まれ、寒 い季節には暖かく包み込む事からオールシーズンに適した繊維です。
まとめ
・天然繊維中最も強靭で丈夫―> 帆布、ロープ、消防用ホース、軍需向けなど
・吸湿性が高く、乾燥速度が速いー> シーツ、テーブルクロス、下着など
・洗濯性が良く、シミが落ちやすいー> シーツ、テーブルクロスなど
・弾性回復が小さくシワになりやすいー> 最近では綿や化学繊維と混紡されることが多い