戻る 次へ

織物と竹筬作りにおける筬設計

第16回試作竹筬と織布帛展での特別講習会(2020/01)   下村 輝

① 竹筬羽の焼きには、焼き加減があり、白焼き~赤焼きがあり、用途で使い分けます。しかし、この情報は筬屋さんも含め皆様には正確に伝わっていません。
② 筬羽銘柄(竹筬羽の厚み)は、鯨尺の一尺五分(39.7cm)の織布帛幅に対してのタテ糸の本数で表示し、500本の時用は五〇(0.757cm)、1200本の時用は千二(0.316cm)と表示し、 この筬羽銘柄も筬屋さんから皆さんには伝わっていないと思います。
③ 算(ヨミ)・読み・タテ糸の密度を示し、旧来は筬羽40枚(50枚の場合もあり)が一算(ヒトヨミ)で、着尺幅に対する場合が多いのですが、的確に表現するには着物幅に対して 何ヨミと言わなければ正確ではありません。近年のヨミ数は1cmあたりの筬羽枚数、15枚は15ヨミとする事が一般的になりました。しかし、鯨寸間、曲寸間の筬羽枚数で表示する事もあり 注意が必要です。

 


*日本竹筬工業株式会社の職人さんが仕事として実施する必要がなく、我々会員にも職人さんより教授されていない事柄が2点あります。それは竹ベラまでの加工と竹筬製作のための筬羽設計 です。前者の竹ベラは、仕入れ先の竹材店の仕事です。それが日本竹筬工業の廃業で一旦途切れ、その後に研究会で今までに全国約10軒より竹ベラを仕入れましたが、竹筬に適した竹質の問 題は未解決のままですし、