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「寸法と厚み」の竹ベラ加工で満足できた竹材は未だ皆無です。山口県萩市より購入し、時間をかけて改良し調整した丸竹の電動の竹割り機を会員が使用し、電動の 竹剥き機で剥いだ竹ベラが、今までで一番割り寸法と厚みが正確で満足できる結果です。 後者の筬設計は、全国の染織産地にあった地元の竹筬屋さんの仕事です。日本竹筬工業より仕入れた竹筬羽を使用し、その産地での糸種や糸使い、織組織に合わせて筬の天地幅・通し幅・耳組 織・ヨミ(算)数・使用筬羽銘柄 等の筬設計をして、組むのが各産地の筬屋さんの役割でしたが、これも日本竹筬工業の廃業で全国の筬屋さんへ竹筬羽が供給されなくなり、この筬設計の機 能と竹筬製造も停止いたしました。同じヨミ数の竹筬であっても、使用の筬羽銘柄(筬羽厚)は各産地の織物により異なっているのが普通です。ただ、日本竹筬工業で組み、販売されていた竹 筬は基準の筬羽銘柄より約2割薄の薄羽で組むのが一般的でしたが、タテ糸に手紡ぎ糸・手積み糸・座繰り糸といったスラブや節・結び目 等のある手作り糸が少なくなり、紡績糸や機械製 糸での規格ねん糸では、この基準を見直し、新しい基準の筬設計で製作する必要がありますし、試作竹筬はこの考えで、新しい基準の筬設計で製作しています。 そのために竹筬の後継者を志す会員には、各染織産地の糸使いを勉強するための産地や工房、作家さんへの訪問が欠かせませんし、素材の節や繋ぎ方 等の糸の特性・作り方・より方・太さ 等 を知り、皆様とコミュニケーションをとり、織物にとって最適な筬設計を行い、最適な竹筬を製作していきたいと思います。
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