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「絹通信#56」より |
8月号でお知らせ致しました29年度に総事業費761万円の大幅見直しの予算原案は、最終の京都府の担当の方の指導を受け、 後は書面提出し承認を受け、事業が実施できる直前です。 提出書面の考え方は、若い後継者が研修と実技習得ができ、自立できる体制作りと他の方の為の竹筬制作を特に筬羽引きをしてくれる3人に自宅での 研修手当をだし、安定的に筬羽を供給出来る様に重点的に予算配分をする事業計画で、先にお知らせした事務費と研修会場費に加えて、 @ 自宅研修費の計上 A 竹筬使用実験委託費の見直し。 以前は試作竹筬を提供し、試織していただき、評価と織布の竹筬展への出展で、その謝礼で1人5000円をお渡し、特定の方の重点的な試織委託費をお支払いしていたのですが、今年度は0円。実務的な竹 筬制作の応援者、協力者というお互いの関係で支払うのではなく、研究会を賛助していただき、その賛助会費を若者や後継者育成に使用して、研究会の活動を維持し発展さす方向転換の年度と考えております。 昨年8月より、その方向で要望活動しておりましたが、その結果を一つ出して頂けました。7月22日付の新聞発表の通り、7月21日に文化審議会で「文化財保存のための選定保存技術の保存団体」に竹筬 制作の私達、「日本竹筬技術保存研究会(通称:竹筬研究会)」を認定するよう答申が有り、今後は社会的にも認められた研究会として、研修を重ね活動して行かないといけないと思います。 2003年に結成した竹筬研究会も14年目に入ります。その間に技術をお教え頂いた日本竹筬工業の職人さん・豊田陸雄さん・豊田亨さん・豊田義雄さん 全員故人になられ、もう技術を直接伝授し、お話 を頂ける方はおられません。平野さん・合原さん・今里さん・森田さん・角浦さん・森さん・西尾さんと引き継いできた技術は、現在の会員に引き継がれ、今の会の活動に繋がり、今回の保存団体認定に繋が ったと思います。それを次の若者に繋げるのが今の研究会の役割だと思っています。 今年度は、新入会の方が5名あり、研修内容も若者が考え運営してくれ、良い雰囲気で活動できています。竹筬や染織に興 味のある方は、是非、岐阜県穂積市生津外宮前1の120の研修場へお越し下さい。見学者大歓迎で、いろいろと情報交換出来ればと思います。研修会は原則月2回(第1と第3土曜 13日〜17時頃まで) 上記の研修場で実施しています。お越しの折には予めお電話を頂ければ幸いです。(下村 電話075-313-1348 ) 2017.8.22 下村 輝 |
「絹通信#55」より |
29年度の申請総額608万円、内600万円の国庫補助金の内定をいただき、5月の総会も終わり、そこで提案された新たな形での事業で予算申請の組み直しの必要性が生じ、総会後に文化庁の担当の方と大枠の事業内容と予算を話し合い、今その事務を担当窓口の京都府の方と計画変更という事で申請書類の書き直しをして29年度の新事業を始めます。 総事業の予算はプラス153万円の761万円、153万円は今までの繰越金で賄う事になります。10月ごろ決定される補助額の増額は現時点では0回答もありますが、もし増額決定の場合には再度の事業の組み直しと最新性が必要になります。 新項目の一番大きな部分は事務費が5000円×10日×12か月=60万、研修所借用料と賃料は10000円×12か月=12万円から、(加工使用料21000円+研修使用料19000円+資材保管使用料68000円)×12か月で約129万円、プラス177万円の増額、この2口だけで177万円、繰越金を24万円こえてしまうので、その分、事業内容の縮小や費用の節減努力が必要になります。 28年度の事業は会費+補助金で賄いきれず繰越金で補填決済をした年度でした。今年度への繰越金は約400万円、前述2項目の蓄積が間接的な要因と考えます。今年度の最新の予算案で事業を遂行いたしますと、補助金額の増減が0の場合、2年少しで繰越金は0になります。赤字会計が続けば、赤字を穴埋めする手段や手当が無ければ、事業の継続は不可能になります。今年がその分岐点になる重要な年度で10月の結果と我々の会の運営能力に掛かっていると思います。 新年度、4名の入会があり、丸竹割りや剥ぎの技術指導が始まりました。前回は木炭製造で選定保存団体のメンバーが岡山から、木炭製造のための森林整備の必要性から、竹林へとお話が広がり、良質な材料確保のための協力関係が築けそうです。トヨタ自動車の織機の方とは竹筬製作上での機械化の助言をいただけそうです。第一合成(株)さんとは文化財発掘の道具「真弧」の共同での開発のお申し出がありました。7月には雑誌「七緒」の取材が入り、竹筬を取り上げていただけそうです。 今年度からは若者が主体になって会を運営してくれます。多忙な1年になりそうです。 2017.6.22 記 下村 輝 |