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3.織物分析の方法

・1cm目盛り角の10倍拡大ルーペでタテ糸ヨコ糸の本数を調べ、スマホで接写して、糸数を確認致します。
例 大島紬の場合
15.5ヨミ = 15.5羽/1cm = 31本/1cm(拡大ルーペで確認できます)
例 郡上紬の場合
鯨寸間48羽 = 48羽/1寸 ≒ 48羽/3.8cm ≒ 12.6羽/1cm = 25.2本/1cm
・織元の場合、タテ糸密度は一定でほとんど変えることがない為、事前の糸使いの知識で、生糸や玉糸、真綿紬糸等の糸種とタテ糸密度(本数)とで判断すれば、何処の産地であるかが推測できます。
・織物のヨコ糸の場合も、打ち込み密度(ヨコ糸の越し数)もほぼ一定である為、生糸や玉糸、真綿紬糸等の糸使い、撚り方、撚りの強さ、撚り方向が右(S)か左(Z)が判断で、より正確に何処の産地であるかが推測できます。
〜古い時代のヨミ〜
・昔の1ヨミ=筬羽数40羽  αヨミ=(40×α)羽

4. 昔のヨミと今のヨミの違い
・昔のヨミは、織物の織巾に対して筬羽の枚数40枚を1ヨミ、1羽に2本糸を通す為、40×2本=80本が1ヨミのタテ糸本数です。その80本のタテ糸が何組で織物を構成するかでヨミ数を決定して、筬も製作していました。

5. 昔のヨミから今のヨミへの変化
・着物のタテ糸の通し巾がEcmの場合 (40×α)羽/Ecm
例 昔の宮古上布の16ヨミの筬を使用し、タテ糸の通し巾が1尺(≒38cm)の場合 (40×16)羽=640羽  640×2本=1,280本 になります。これを今の1pあたりのヨミに計算しますと
◇1,280本÷38cm÷2本≒16.8羽/cm=16.8ヨミになります。  今の宮古上布の1pあたりの16ヨミの筬を使用し、タテ糸の通し巾が同じ1尺(≒38cm)で計算しますと (16羽×38p)羽=608羽  608羽×2本=1,216本で、同じヨミでもタテ糸本数が異なります。