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しかし、着物や麻の上布等の密度を必要とする織物で、手紡ぎ糸・手引き糸・手績み糸の太細や節の大小のある糸の場合には、金筬羽は糸を削りますが、
竹筬羽はしなる事で糸の太細や節の大小を逃がします。(金筬は筬羽を極端に薄く出来ますがやはり同様に糸を削ります。) 苧麻や芭蕉の糸は硬く、密度の高い上布は濡らして織る必要が有り竹筬が必須です。織物は基本的には筬が無ければ織る事が出来ません。 竹筬でなければ織る事が出来ない織物や竹筬を必要とする染織家がいらっしゃいます。竹筬の技術伝承は10年前に途切れました。日本の伝統産業における伝統技術は、 職人が次の職人を育てるシステムがありましたが、仕事量が極端に減った業界では崩壊しています。竹筬研究会は、「竹筬を使いたい・復活させたい」という思いのあ る人が結成した素人集団で、職人さんの指導を受け、1度滅んだ技術をもう1度復活する事を目指し、文化庁の支援を受けて研修・技術伝承・後継者育成を目指しています。 現状、日本の山や竹林に人の手が入らず荒れ放題です。その竹林から竹筬に適した良質の真竹を切り出し、加工しなくてはなりません。 竹切り職人・竹加工職人・刃物の加治屋さん・竹筬を使用する織職人 等どの分野の職人さんも減少が止まらず限りなく0に近い状態です。今なら、これらの職人さんに 技術を継承して頂く事が可能であり、伝統技術を復活する事は可能で、そこから新しい形・発想・対応で新たな可能性を見出す事が出来ると思います。
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