7 日本の蚕糸の現状と未来糸の太さ(繊度)・長さ・重さ
業種としては、「繭を生産する農業としての養蚕業」と「その繭を生糸にする製糸業」に大きく分類出来ます。これらの業種は、中国を主な産地とする国際商品である為、日本の絹は、現状自由化され国際市場の波を受けて風前の灯となっています。
その中で、輸入生糸とは一味異なった「繭のブランド化」や「ブランドシルク」の実現に向け努力をしています。その中で生まれた「あけぼの繭の生糸」「世紀21生糸」「ぐんま200生糸「新・小石丸生糸」 等のブランド生糸が生まれている事は、明るい話題となっています。
しかし、繭の質を生かした蚕種レベルのブランド化は、難しい事と言えます。そして、ブランド生糸が、高価格で有る為に価格競争の面で苦戦を強いられており量の拡大には、まだ程遠いと言えます。現在、個人の方の染織の世界においては、世の中の個性化・多様化から「環境に優しく、
人が人である為の手織りや草木染の物作り」を選択される方が増加しています。この様な方々の為に、「絹糸を作る」蚕糸業という方向性が生まれて来ています。これも1つの方向であり、この方向性が次の世代に、「染織の伝統」を引き継いで行く事だと確信しております。
これからは、業界は勿論の事、個人の方々との「顔の見える繋がり」を大切にして、生産者から消費者までの「顔の見える物作り」が必要な時代に入ったのだと思います。
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下村 輝 (絹のより 下村ねん糸
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