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絣についての詳細
絣の設計
織物として完成した時に、糸の段階で括ったり捺染したりする箇所を考慮します。
「手結い」は、沖縄独特の絣技法です。(沖縄に14〜15世紀に伝来しました。沖縄から本土に絣が流入したのは1609年の薩摩による侵略以後) 本土では、絵絣では絵台を使う方法や、板締めなどが考案されています。琉球絣は、図案に合わせて織っていきます。糸を括って染めてから、織るとい う手順です。絣模様を括って染める際には、絵図式という方法を使います。16ほどの工程があり、各工程は専門性が高く分業です。絵絣の「括るべき箇所」 を把握する絵図法は、久留米の大塚太蔵が1849年に発明したと伝わっています。絵図法は、絣の設計者が行い、織りは織り手が行います。 原理は、 反物の幅と同じ幅(織りの工程での糸の伸び縮みを考慮)の台(下記参照)を用意して、その両側に糸を掛ける杭を打っておきます。そこに織り上がった 状態と同じように糸を掛け、墨で図案を描きます。型紙を使う場合もあります。そして、1本の糸に戻し、印のついた箇所を括って染色し絵絣を織りあげます。
参 照
台について(織物産地によって、呼び方と細部の構造に違いがあります。)
・筬台
台の両側に筬羽がついていて、それに糸を掛けます。
@まず紙に墨で下絵を描く。
A絵台に実際に織る時と同じ密度で緯糸になる糸を掛ける。その糸の下にこの下絵を入れる。絵台とは、一定の間隔で緯糸を引っ掛けるための釘を植えた台である。
B下絵を絵台に張った糸に写し取る。
C絵台から糸をはずすと一本の糸に点々と墨跡が残ることになる。そのまま織れば下絵と同じ柄の緯総の絵絣になるが、いきなりは織らず、それを種糸として同じ 間隔で墨跡をつけた糸を複数作る。それで着尺一反分の糸を作って、種糸は次回のために保存する。
D墨で印をつけた部分を括って防染し、染めて織れば絵絣になる。
・緯綜台
広瀬など山陰の絵絣産地で使われる呼び方
織り上がった時の布の緯糸の本数を決め、その本数だけ、台の両側に杭を打ちます。その間隔は、作業しやすい幅があるので緯綜台は縦長になりますが、その上に実際に 織り上がった時のものよりも引き伸ばされた図案を描きます。